第103話 有川七海の日常③

 私がその名前ーーー桜井霧也さくらいきりやを見たのは、まだ、小学生の頃だった。

 名前は忘れていたけど、今でもその写真のことはハッキリと覚えてる。場所も忘れたけど、何かの写真のコンクールで霧也さんの写真がグランプリを撮っていた。


「そうか。あの時の写真の人か・・・・・・」


 家に帰って、その時のボロボロのコンクールの写真が掲載されてるパンフレットを大事なものボックスから引っ張り出して確認した。

 そして、私が写真家を目指そうと思ったきっかけの人。


「まさか、あんなに若いなんて・・・・・・」


 きっと、彼は私と同じくらいの歳だ。

 ということは、あの時の彼がコンクールでグランプリを獲得したのは小学生ということになる。


「凄いなー・・・・・・」


 しみじみと私は呟いた。

 世の中には才能がある人はたくさんいる。彼もきっとその類の人間なのだろう。

 私なんて、その頃はカメラの使い方すら分からなかった。ただ、シャッターを押して写真を撮る。それだけしかできなかった。

 だけど、彼は違うのだろう。構図やシャッターを切るタイミングや時間。それらを計算して写真を撮っていたのだろう。

 今の私なら分かる。彼の写真がどれだけ凄いか。


「また、どこかで会えるかな・・・・・・」


 もし、また会うことができたら、お礼を言おう。

 あなたのおかげで私は写真を撮ることが好きになりましたって。


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