異世界は最強とかチートとかはどうでもいい。仲間がいればOK
千歳
プロローグ
俺は普段学校へ行かない。
その理由は、学校はだるいから行きたくない。家では勉強せずにゲーム、アニメを見てるだけ。
だが今日は、珍しく学校へ行く。
「空...あんた学校に行くの?珍しいわね」
「じゃ行ってくる」
久しぶりに家を出た俺は、あの時の入学初日のことを思い出す。
小学校を卒業し、中学一年になった俺は入学初日にランドセルを背負っていたことに気づかず、そのまま学校に行った。
そしたらクラスメイトに笑いものにされた。
学校がトラウマになり、行かないことと判断した。
だが今日はちゃんとスクールバッグで行く。
失敗は二度と起こさないと自分に誓った。
家を出て学校へと歩き始めた。
慣れない道。慣れない光景。
学校へと歩いてる俺は、道にある本を目にした。
「エロ本だああああ!!」
こんなところにエロ本なんて捨てられるもんなんだな。
こんなのは、ギャグアニメでよく出てきそうなやつだわ。
俺は本を拾い、ページを捲ると鼻血が止まらなくなった。
頭がクラクラする.....。
●
「よぉ、古泉空。私は君を担当する、天使のアリエルだ」
何もない空間、ただ青い空だけが見えていた。
そこには、イアリングをしていて、タバコを吸っている天使とは思えない女がいた。
「お前の死に方がくだらなくて、まじ噴いたわ。エロ本見て鼻血が止まらなくなって死んじゃうって、面白いんだけど」
なんだこの人、なんかムカつく。
死に方がくだらなすぎて、泣きそうになった。
自分が死んだことはわかったが、ここはどこなのかを天使に聞いた。
「ここはどこなんでしょうか?」
天使は質問に答える。
「ここは、天国だよ」
天国なのかここは。
「私たち天使は死者にピッタリな異世界を案内し、死者のサポーターとして仕事をするの。喋ることしかできないけどね」
ちょちょちょちょちょ、異世界?
異世界って言ったよね?
普通に天国に暮らすとかそいうのじゃないの天国って。
「いやぁ、こんなやつ初めてだわ」
「こんなやつってなんだ!」
なんだこの人、さっきからまじウザイんだけど。
「じゃ案内するから着いてこい」
俺は今から自分にピッタリの異世界に転生することがすごく楽しみで遠足に行く前の小学生みたいだ。
案内された場所へ行くとそこには、複数の扉があった。
「この扉全部が死者にピッタリの異世界がある。これ全部神様が作ったんだよ」
神様は辛い仕事がめっちゃあるんだな。
「お前が行く扉は、ここだ」
え〜と、短距離魔法しか使えない主人公...。
「って弱っ!!主人公最強とかないの?」
「そんなのないよ。自分で強くなっていくのが異世界のルールだよ」
はあ?ルールだと。
ルールとかどうでもいいんだけど。
「はいはい。じゃ異世界生活を楽しんでね」
扉が開き、蹴っ飛ばされ、扉が閉まる。
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