今日からオカルト警察のお仕事をします。

花道優曇華

第1章「勤務1年目の話」

第1話「私の天職 霊障テロリズム①」

科学技術が発展した今、幽霊なんていないという考えが根強く残っていた。

だがいる確証も無ければ、いない確証も無い。どちらともいえないが

私としては視える人間なのでハッキリと霊は存在すると言うことが出来る。



「最年少で課長のお仕事、どうですか」

「なんかもしかして馬鹿にしてる?」

「し、してないって!」


結城時彦、霊力を綱状にして操る。霊能力、ラノベ等でよく見る超能力と同じ。

そして占術を行うことが出来る職員もいる。


「浮かれているところ失礼しますが、私の占いの事を聞いてくれませんか」

「待った。君がその顔で占い結果を話すと言う事はその結果は絶対やばたんなので

聞きたくないんですけどッ!!」


※やばたん…ヤバイ(この場合は悪い意味のやばい)


「じゃあ話しますね」


と、清正栄一郎は話し出した。占った相手が既にれべちであった。

※れべち…レベルが違う、格が違うなどの意味)

静岡県をまとめる県知事、藤代若葉という女性の結婚は既に多くの

メディアが取り上げている。


「その結婚式で何か起こるって事?」

「はい。あ、もちろん何度もやりましたよ?でも変わりませんでした。で、

SPの方々のお偉いさんに僕たちも警備に同行できないか話を付けてもらいたく…」


内閣総理大臣などの要人敬語を仕事とする。SP(セキュリティポリス)になるには

かなり厳しい特訓等が必要になる。そして様々な条件もあるのだがそれは省かせて

貰う。


「え、待った…SPって言った?」

「…?そうですけど」


弥勒はあんぐりと口を開けたまま呆然としてしまった。思考停止だ。

その警視庁警備部警護課、所属する全員にこれからの仕事について話がされていた。


「今回の任務は少し違う。霊障特別対策課との合同警備になる。我々は霊障への

対抗策は持っていないため連携が必要となるだろう」


静岡県知事の警護、今回は中から数人が選ばれる。その一人となった月守千景は

複雑な気持ちを抱いていた。


「…もしかして緊張してる?アンタらしくないわね月守」

「緊張なんてしてませんよ。ただ、会った時にどうすればいいかなって考えてた

だけです九条さん」


先輩の九条真紀に対し千景は少しだけ顔を緩ませた。


「会った時って…まさか!いやでも、アンタの従妹ちゃんはまだ高校卒業した

ばっかりじゃない!」

「そうですけど霊障特別対策課…霊障対策課は普通の警察とは違う。霊能力に

目覚めた一般人の保護、監視、所属するのに国家試験をクリアする必要もない。

それに課長ですよ、俺の従妹」


SPとして働いている従兄がいるという話を聞いて時彦と栄一郎は目を丸くした。


「はぁ~…もうどーしよッッ!!?」

「まぁ、頑張ってください」

「他人事だと思ってる…」


再び長い溜息が弥勒の口から洩れたのだった。

翌日、警護課―SPが二人、代表してここにやってきた。そこで対面して

しまったのが千景と弥勒だった。

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