第11話 出会って5秒で……

 第11話 出会って5秒で……

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 どうも、領地持ちの貴族になり、着実に異世界転生のテンプレライフを順調に歩んでいるモグラさんです。

 配下も増え、異世界ライフの本番もここからというところなんですが、ついにやることがなくなりました。


 ついになくなったというか、はじめから何もやることがなかったというか。


 異世界にきて数日もたっていないというのに、この非常事態。

 実に危機的です。


「キュウ~?」


 この間配下にしたモグラも暇なのか、俺の隣で横になっています。

 配下になったモグラの配下のモグラたちは、何が楽しいのかせっせと穴掘りに励んでいます。

 寝ていても彼らがミミズやら虫やら運んできてくれるので、彼らのおかげで余計にやることがなくなったともいえます。


 ……なんかモグラモグラ紛らわしいな。


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 名前:モグラA

 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:小動物レベル

 配下:14匹

 所属:土竜(モグラ)配下

 スキル

 土竜下級 レベル31

 土竜中級 レベル1

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 名前の部分をタップする。


【配下の名前を変更しますか?】

【はい】

【いいえ】


 おお、やっぱり。

 こういう系のゲームは、捕まえたモンスターの名前変えられるもんだよね。

 オリジナルの名前を付けて育成してこそ、愛着も沸くってものだし。


【名前を入力してください】

【   】


 ……こいつ、雄雌どっちだ?


「キュイ?」


 自然界で群れを率いるって言ったら、雄なのか?

 ライオンとかは、一匹の雌に何匹ものメスが集まって群れを形成してるし。

 でも、アリって確か女王アリがトップの雌社会だよな。


 いや待て、俺もモグラだ。

 俺から見て、こいつはどうだ?


 かわいい……ような気がする。


 興奮するか?

 異性として見れるか?


 ……ちょっと上級者向け過ぎて、よくわからない。


 というか、そういえば俺も雄雌どっちだ?

 そもそも、自分の性別がわからなきゃ仮に異性として見れたとして、結局どっちかわからねぇじゃねーか。


 ……もぐらって哺乳類だよな。


 ちょっと見にくいけど、ある。

 変わり果ててしまった、我が相棒の姿が。

 種族が変わってもなお俺のまた下にぶら下がっている、前世から穢れなき存在であり今世でも潔癖が約束された相棒だ。


 よし、次はこいつだ。

 ありがたいことに、ごろごろと寝っ転がっていて非常に確認しやすい。

 ちょっとおとなしくしててねぇ~。


「キュ!?」


 おお、あったあった。

 こいつは雄か。


 群れを率いる強い男、そう思うと何となくかっこよく見えてくる。


「キュウ、キュウ」


 あれ?

 こいつの相棒が、みるみる縮んで……


「キュウ!!」


 おい、馬鹿やめろ。

 馬乗りになって、いったい何するつもりだ!!


 あ、やめ。

 俺の相棒は、一生清い身でいると……


「アッーー!!」


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 ……俺は男になった。


「キュウ~」


 横では、さっきまで俺の上にいたモグラがくつろいでいる。

 俺をお襲っておいてこいつは……


 ま、まぁ。

 考えようによっては、異世界に転生した童貞が女の子にモテモテなんてテンプレそのものだし……

 異世界ライフを順調に歩んでいるとも……

 とも……い、いえるだろう。


 で、結局こいつは雌ということでいいのか?

 異世界ならではのふたなりという可能性もある。

 というか、さっきの相棒が縮む様子を見ると俺が雄なのかどうかすら怪しい。


 ……わからない。

 わからない。

 が、雌ということにしとこう。


 せめて、俺の初めては女の子に奪ってもらったことにしておきたい。


【名前を入力してください】

【ロティス】


「よろしくな、ロティス」


「キュイ?」


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 名前:ロティス

 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:小動物レベル

 配下:14匹

 所属:土竜(モグラ)配下

 スキル

 土竜下級 レベル31

 土竜中級 レベル1

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 ーー次話予告ーー


『第12話 戦争』

 明日更新


 少しでも続きが気になる、面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。

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