第1話 種族を土竜に決定しますか?
第1話 種族を土竜に決定しますか?
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女神様は、俺にタブレットを渡しすっと溶けるように消えていった。
いろいろと想定とは違ったが、結果異世界転生できるならオールOK何の問題もない。
【異世界転生を希望しますか?】
【はい】
【いいえ】
これがマニュアル……
タブレットに、選択肢。
きっと俺みたいなのがたくさんいたんだろう、完全に現代日本人に最適化されている。
はいを選択。
【あなたの所持ポイントは90ptです】
ポイント?
疑問に思って、ポイントの文字をタップすると説明文が表示された。
ほんとになんというか……
ここまでされると、いかにこの願いが多くて対応がめんどくさかったのか目に浮かぶというか。
【所持ポイント:あなたの払える対価をわかりやすく数値化したもの。様々な願いにポイントが設定され、あなたの所持する範囲内で願いを叶えることができます】
ほんとにゲームみたいな感じだな。
俺含め、こういう願いを持つ奴はみんな親しみあるシステムだしな。
わかりやすいのは、ありがたい。
それにしても、90ptか……
これ、どう考えても低いだろうぁ。
人生振り返れば、納得だが。
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さて、順調に選択を進めてきたわけだが。
【種族を選択してください】
せっかくファンタジー世界に転生するからには、チート種族になってみたいところだが……
【フェンリル 100,000,000pt】
【八咫烏 100,000,000pt】
【ケロべロス 100,000,000pt】
【シーサーペント 100,000,000pt】
【九尾 100,000,000pt】
【サラマンダー 100,000,000pt】
……
俺みたいな凡人以下じゃ、とても手が届きそうにない。
100,000,000ptって、どんな人生歩んだらそんなポイントになるんだ?
ちなみに、人は100ptだった。
どうやら俺じゃ、人に転生することすら不可能らしい。
ほかのエルフや魔人、獣人は200pt~と、もっとお高めだ。
一応身分を奴隷とかにすれば、ギリギリ人に転生できるが……
もし俺が奴隷に転生したとして、知識チートだけで成り上がれると思うか?
答えはNOだ。
比較的恵まれた家に生まれて、90ptの人生だった男をなめるな。
こうたくさんの種族の中から選べると、ないとわかっていても安く強い種族になれないかと探してしまうものだ。
そして……
【土竜 10pt】
見つけた。
え? 竜が、10pt!?
他の神話生物とか幻獣に比べて、圧倒的に安い……
何かあるのか?
一応……いや、こう言うバグやミスを利用するのが主人公最強系のテンプレートだろ。
【土竜:体長2.6~21。名前の通り地中の中で過ごす。基本群れることはなく単独で生活し、それぞれの個体が縄張りを持つ。素材はその希少性と性能から高級品であり、貴族が欲してやまない……】
ほんとに、竜だ……
よくファンタジー世界に出てくる、竜そのものだ。
素材が、希少性と性能から値がありえないほど高くて、貴族が好む。
これが、10ptで?
ほかにも、ここらへん強そうなのにやけに安い種族が固まっている……
【アノフェレス 10pt】
【デンドロビウム 10pt】
【アルストロメリア 10pt】
【サラマンダー 10pt】
【キングフィッシャー 10pt】
【アルバトロス 10pt】
……
調整ミスか?
でも、
「これはチャンスだ」
俺に与えられた、成り上がりの。
俺は、この機会を見逃すわけにはいかない。
【種族を土竜に決定しますか?】
【はい】
【いいえ】
「新しい人生を、自分を変える機会を!!」
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ーー次話予告ーー
『第2話 異世界転生』
明日更新
少しでも続きが気になる、面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。
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