第46話 精力剤の元
そのまま二人で店に行って、俺は表で待つ。オーガの使っていた剣はそれほどいいものには見えないが、何かの時の予備に二本とも売らずに取っておく事にした。
しばらく待っていると朱音が出てきたが
「リュートさんすごいんです。あの角が傷の無いもので一本千ギルで、折れたり傷のあるのでも一本四百ギルで買い取ってくれました」
「そんなにか……」
「はい、いくらでも需要があるのであるだけ買ってくれるそうです。何か薬になると言っていましたが、なんの薬になるんですか?」
「あ、あ〜。多分体力回復とかだろ」
「じゃあポーションの材料って事ですか?」
「まあ、そんな感じだ」
何も悪い事はないが、何も知らない朱音に面と向かって聞かれると非常に答え辛い。
今回の売却額は合計で三万ギルを超えていた。
俺にとってはとんでもない金額だが、これでようやく防具を購入する事が出来る。
「朱音これはお礼だ」
俺は売却益の中から三千ギルを取り出して朱音に渡そうとする。
「リュートさん、これは多すぎです。これでいいので、晩ご飯を葵ちゃんと一緒に奢ってください」
そう言って朱音は三百ギルだけ受け取ってくれた。
「ああ、わかった。今日がいいか?」
「いえ、蒼花ちゃんにも伝えないといけないので明日でお願いします」
「分かった。それじゃあ俺は、ポーションと防具を買いたいから道具屋と武器屋に行くよ」
「分かりました。それじゃあまた明日」
朱音と別れた俺はさっそく道具屋へ直行した。
まず、今回のオーガ戦の経験からポーションを低級、中級、上級を一本ずつ購入を決めた。
その後武器屋へと向かい鎧と投げナイフを見せてもらう事にした。
今手持ちにある使えるナイフは四本まで減っていたので買い増すことにする。
適当なナイフは一本が二百ギルだったので十本購入を決めた。これで二千ギル使ったことになるが、まだこれまでに貯めたお金を合わせるとまだ三万ギル程度は残っている。
「鎧を見たいんだが、強度があって軽量なものは無いが?」
「予算にもよるけど、金属鎧は重すぎて実用性には欠けるからな。戦争でもするなら有りだけどな。まあ革鎧がベースになるだろうけど、値段で言うとこの三つかな」
二つは以前も見せてもらったタイプの、革鎧と革鎧に金属で部分的に補強したタイプ。そして見た事がないのが、黒い鱗の様なもので覆われた鎧だ。
「この二つはわかるが、これはなんの鎧なんだ?」
「これは、アースリザードの革を使った鎧だ。まあ見た目があれなのと、普通の革鎧より高額だけどな。だが、この鱗が金属並みに硬いのと軽さは通常の革よりも少し軽い」
「これはいくらなんだ?」
「もし買うなら本当は三万ギルだけど、サービスで二万八千ギルでいい」
俺には鑑定眼の様なものは無いが、三つの鎧を並べられると、このアースリザードの革鎧が一番良い様に見える。
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