No .4 愛美の気持ちと新キャラ
「おはよう、愛美。ちょっと良いか?」
「おはよ、俊介くん!うん、いいよ。なに?」
「女子が行きたいデートスポットって何処だ?鴻は、遊園地って言ってたんだけどさ...。男の意見より女の意見の方が良いような気がして...。参考までに教えてくれないか?」
「えっ...。か、彼女出来...たの...?」
「ん?いや、いないが」
「じゃあ、なんでそんな事聞くの?」
「えーとっ...。彼女出来た時に困らないように、かな」
「てことは、好きな人が出来たの....?」
「まあ、そんな感じだ...。で、どうなんだ?女子的に」
「うーん...。女の子が皆そうかは、わかんないけど、私だったら水族館とか、映画館行ったりしたあとスタバで感想とか喋ったりするのが理想かな...。」
「なるほど、意外と普通だな....。」
「ご、ごめんね?参考にならなかったかな...?」
「いや、大丈夫。ウィンドウショッピングとか、言い出されてたら少し困ってたけど、そっか。普通で良いのか...」
良かった。服の良し悪しってわかんないからな。じゃあ....ラノベのコスプレもしてるみたいだし、アニメ映画を口実に会えないか聞いてみるか。
「ありがとう、愛美。そんな感じで誘ってみるわ」
「う、うん...。頑張ってね......。」
「おう。じゃあ。」
最近のアニメ映画って何があったっけ...。もう時間もないし、後で調べとこ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「はぁ.....。」
ため息が止まらない。俊介くんに好きな人が出来たと聞いてから、見たことのない、俊介くんの想い人への嫉妬でどうにかなってしまいそうだ。
俊介くんが女の子と喋ってる...なんて噂は聞かない。元々俊介くんは、あまり多くの人と喋らない。内弁慶というやつだろうか...。
さっきから、嫉妬等と言っているからわかると思うが....私は、俊介くんが好きだ。別に俊介くんに突出した才能はない。運動も勉強も中の上くらいだ。じゃあ、何処が好きなのかって.....?
それは、優しい所だ。
.....きっと今、(そんだけっ!?)....と、思ったかもしれない。だけど、考えてみてくれ。いつも、菊岡さんとつるんで、菊岡さんをいじって、仲のいい相手意外には塩対応のドSの俊介くんだが.....。意外に犬と子供が好きで、困っている人は見捨てない。
Sと優しさのギャップ萌えというやつだ。
....もし、俊介くんと付き合えたなら、なろ抱きで俊介くんに包まれながら、耳元で........
「なぁ...。今日はどうしたんだ?凄く甘えん坊じゃないか。嫌な事でもあったか?
あったなら、教えてくれ。辛いことは、溜め込むより吐き出した方が良い。
吐き出し終わったら、今度は思う存分、
とか、言われたい! 妄想するだけで、キュンキュンする!
だけど.....付き合えない。私は独占欲が強い。いわゆる、ヤンデレだ。
中学の頃、付き合った彼氏が浮気をしていて、彼氏に聞いてもはぐらかすので、腕の関節を外して相手は誰なのか問い詰めたりした。
.........今思うと、自分でもヤバイやつという自覚があるので自重しようと思うのだが....。
昔は、関係が崩れ無いようにするための、愛のムチ....等と真面目に考えていたので、いざとなったとき自分を止められる気がしない。
そんなわけで、俊介くんに好きな人が出来ても、どうしようもないのだ。
好きで好きでしょうがなくても、俊介くんを繋ぎ止められない。
精々、出来ることと言ったら....嫉妬と、出来ればしたくはないが、応援だろうか。
「はぁ......。」
ため息は止まらない。俊介くんへの想いもまた、止まらない。
「(辛いなぁ)」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
昼、鴻と食堂でご飯を食べている時....。
ピロリロリン♪
「ん?」
【お誘いが来ました】
「え"っ」
「どうした?俊」
「2人目来たかも」
「ん?......えっ!まだ、2日目だぞ!いくらなんでも、当たり過ぎじゃねぇか!?」
俺もそう思う....。でも、どうしたもんか。俺にはもうMISAというなの心に決めた人がっ!
まあ、でも一応どんな人かは見とくか。
おっ、顔写真付きか。プロフィール見てっと、なになに....。
「グハッ.....!」
「ど、どうした俊!スマホ見たと思ったら、何故に、鼻血出して倒れた!」
「う...そだ..ろ....。」
「何を見たんだ!俺にも見せろ!............なにこの可愛いメイド。ロックの待ち受け見て倒れたのか?」
「違う、画面スワイプしろ」
「ん....?
名前、ゆき。 趣味、料理。 性別、男....。
俊、男もイケるくちだったのか?」
「違う、俺はゲイではない。自己紹介文読め」
「うーんと。
体は男なんですが、心が女子なんです。トランスジェンダーってやつです。
こんなボクでも良かったら誘って下さい。
って......お前、男の娘好きか.....。」
「そうだよ、悪いか?写真があるから見てみろ。めっっっちゃ可愛い。」
「確かに...。でも、男なのか?フツーに女子って言われても納得するぞ?」
「は?なに言ってんだお前...。心が女なんだから女だろうが。それに、男の娘は女だからな?」
「あー、確かに。男の娘は女ってのは意味わかんねぇけど、心が女なら、女か。
それに、可愛いしな」
それとこれは、鴻は気がつかないだろうから、言わないが.....。
ゆきちゃん? プロフィールに<誘って下さい>なんて書いたらダメだよ?お兄さんね、想像したら鼻血出るから。というか、出ちゃったから。
「で?どうすんだ俊。もう、見つかってたんだろ?断るn...」
「断るわけないだろ。バカなのか?」
「何故に罵倒されたっ...!だったら、最初の人どうすんだ?」
「そんなの、決まってるだろ...。
そのままだ。 幸いまだMISAとは友達になったとこだし、ゆきちゃんはまだ、話すらして無いんだ。決めようが無いんだからそのままに決まってるだろ。」
「答えになって無いような...」
「別に恋愛するために、性癖マッチングやった訳じゃあないからな、友達で終わってしまう事もあるだろ。」
「まあ、確かに....。俊がそれで良いなら文句はねぇけどよ.....。
あとこれはお節介だが、女の子を泣かすようなことすんなよ?」
「俺が、泣かすような事すると思うのか?」
「いんや?思ってねぇけどよ...。一応な。
もう、昼も終わるし教室戻ろうぜ」
「おう」
それにしても、2日で2人って....。しかもどっちもタイプとか、モテ期かね?
なんて....。バカなことを考えながら教室に向かった。
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