第55話 寝坊する人
「え、この時間って?」
つぐみは茫然と時計を見つめる。
今日は多木ノ駅で、見えない店を探そうと思っていたので昨日は早く寝たのだ。
確か布団に入ったのが、まだ午後八時くらいだったはず。
そして今、時計は午前十一時過ぎを指している。
「良く寝た。すごくよく寝たな~、私」
などと言っている場合ではない。
慌てて身支度を整える。
かなり空腹ではあるが、駅で何か買って食べればいい。
とりあえず見に行くことが最優先なのだから。
沙十美からもらったブレスレットを着け、準備は完了だ。
そっと星のチャームに触れる。
「今日こそ、お店と沙十美を見つけるんだ」
扉を大きく、いつもより強めに開くと、つぐみは駅へと駆け出して行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます