虐めの一環で告白されましたが、好きな子のために復讐します。
@hanpenmaru
第1話
「好きです!つ、付き合ってください」
人生初の自分への告白。しかも前から気になっていた女の子だ。
普通の人ならここで舞い上がっていただろう。
だが、今回は違う。
「ま、マジで?おおおお、俺みたいなのでいいんですか!?」
ここまでは順調だ。
さて今の状況を説明しよう。
俺は突然、放課後の学校裏に呼び出された。
俺と同じ委員会で一つ上の先輩、ミナミさんからだった。身長は自分と同じくらいで顔はそんなにパッとしないがスタイルはいいし、性格もいい。
「これワンチャンあるんじゃね?」と思いながら校舎の裏に来たが、どうも様子がおかしい。
自分でもなんだが、俺は鈍感系ではないしむしろ逆で、人への観察力は結構出来る方だと思っている。
それは過去の俺の体験から生まれた能力だが、それは今は置いておこう。
「あ、あの、ダメですかね?」
目が泳ぎまくっているし、面と向かって言ってくれない。
チラチラと自身の後ろを見ているし、何かに怯えたような表情だった。
「……あ、あの、ちょっと整理させてください!」
「あ、はい」
おそらくだが先輩は罰ゲームや誰かから強いられて、このように告白されている。自分の過去の体験からも何となくわかる。
だが本当に告白されただけかもしれないので、少し鎌をかけてみる。
「あ、あの。俺みたいなやつのどこに惚れたんですか?」
「え!?あ、あの……」
やはりどもった。
内心とてつもなく泣いている自分がいる。好きだった人から嘘の告白を受ける。これほど悲しいことはあるだろうか。
だがチャンスだ。
「こ、こんな俺でよければ……」
「あ……。はい、よろしくお願いします」
そう返事をすると、彼女の背後から数名の女の子がやってくる。
「よかったじゃ~ん!ずっと好きだったもんね!」
「…………ㇶ」
女の子の一人がその子の肩に腕をかけ、ガシッと掴む。
もちろん俺は聞き逃さない。
今ミナミ先輩が小声で「ひ‼」っと怯えた声を出したことに。
「告白されて良かったね!嬉しい?」
別の女の子が聞いてきた。
普通、告白された人にこんなこと言うだろうか?
「はい!めちゃくちゃ嬉しいです!」
これは本音だった。ミナミ先輩に告白された。
これだけだったらよかった。最高の気分だっただろう。
だが今回は……。
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