第1章【まだ本当の彼女だけだった頃】(0~12歳3月)

神崎 美由(かんざき みゆ)は、『変わった子』・『不思議ちゃん』──そんな言葉もありますが、彼女は、正にそれを地でいく子でした。


親からも「変わった子」と言われて育ち、クラスでは『浮いた存在』。

学校の成績は決して悪くはなかったけれど、不器用で運動神経が悪く、友達も少なかった。


人の感情を読み取るのが苦手で相手の言葉をそのまま受け止めていたため、もし相手が自分のことを嫌っていても、ニコニコしながら「好き」と言われれば「好かれているんだな」と勘違いすることもしばしば。

後に『神経発達症』──俗にいう『発達障害』と診断されるのですが。


あと、不思議なことに勘も鋭かったようで。

“多分こうなるんじゃないかな?”と思えばそうなったし、“こうなりそうだけど…ならないで欲しいんだけどな~”──そう思っていても、そうなってしまったり。


『雨男』や『晴れ女』という言葉があるけれど、彼女は『晴れ女』。遠足や運動会は大体晴れだった。

もっと不思議なことに、大人になってからは、“この日は晴れて欲しいな~”と思えば晴れたし、“雨になればな~”と思えば雨に・“曇りに”と思えば曇りになったことも多かった。



この章では、そんな彼女『不思議ちゃん』の、幼少期・小学生だった頃の話をします。




ちなみに…

ここから第26章まで、第1部です。

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