べたな悪役とか、もうサイコー過ぎる!と思いながら読ませていただきました。
ヒーローにだって変身していない時にはそれぞれの生活があるわけですよね。この作品の主人公である『Mr.サンシャイン』の中の人は中年のサラリーマンです。だいたいヒーローものの主人公っていったら、とりあえずイケメンだったり、勉強はいまいちだけど運動神経は抜群だったり……まぁそこまでじゃなくても、少なくともフレッシュなヤングなはずじゃないですか。それなのに、中身は中年のサラリーマン。
何が辛いって、サラリーマンですから、仕事があるわけです。この場合、ヒーローの方が副業になるんでしょうね。おまけに脂の乗った中年ですから、腰痛肩こりなんかも標準装備。さらに長年連れ添った妻とは最近ご無沙汰で、子ども達は反抗期と来たもんだ。
辛い。
辛すぎる。
身体的にも、精神的にも。
けれども、お父さんは戦うわけです。
家族のために。
ちょっともう正直涙が出ました。出ましたけど、秒で引っ込みました。面白くて。何かもう、いちいち面白くて。
家族にヒーローだと秘密にしている、中年サラリーマンの主人公。
サラリーマンとヒーローという二足の草鞋を履きながらも、家族や世界平和を思い日々頑張っているのだが報われない。
でも、体にガタがきてるがお父さんは、家族と世界の為に戦う。
笑いあり、心がほっこりするお話です。
読みやすく、次々かわる展開に読む手が止まらなくなりました。
お父さんっていう存在は、年頃になった子供や長年連れ添った奥さんに、邪険に扱われたり、ぞんざいな態度を取られたりしがちですよね。
作品読んだ後、少しお父さんに優しくしようかな?って、思っちゃうかも。
アナタがお父さんなら共感して、主人公を知らず知らずのうちに応援しちゃってるかもしれません。