【第十一話】ティアル・サーライト ②
「ここはディオラスッ!!世界屈指の弱肉強食の国さァ!!強い奴が弱い奴の肉を食って何が悪いッ!!14歳にもなってこんな幼稚な脳味噌しているからこんなことになるのさァ!!さっさと成長して、こっちに来れなかったのが悪いんだよォォォオオオオオ!!カァーッカカカカカカカカカカカカァァアアアア!!」
「そ、そんな……。そんなことって……」
青年は愕然とする。
心から誠心誠意つかえてきたディオラスに、こんな形で裏切られたのだ。
何も感じない方が、いや、怨まない方がどうかしている。
青年はティアルを睨み付けた。
「まぁぁ?そんなお前でも俺様の血肉になれるんだから喜ばしいことじゃねぇかッ!!今の所、中身はツルツルそうだから味には期待出来ねぇが、お前の脳味噌も最後のデザートにはしっかり取ってあるんだぜェ!?だから……ッ!!タップリ恐れて後悔して怒って……ッ!!精一杯憎んでくれよッ!!その方が脳ってのは色々刺激されて!!いい味出すんだからなぁ……ッ!!カァーーッカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカァァアアアアアアアアアア!!」
だが、
ティアルはその程度じゃ毛ほども動じない。
ティアルはむしろ、相当長い時間をかけて青年の体を食い漁った。
「や、やめ……ッ!!ヤメテエエエエエエエエエエエエエ!!」
青年の絶叫が響く中、屋敷の人間は誰も助けになどは来てくれない。
ただただ、青年の体はティアルの食料とされ、足を手を、性器を体を食いちぎられる。
次第に叫ぶ力すらなくなっていき、青年はもう、息をしていなかった。
痛みによるショック死か、出血多量によるものなのかは分からない。
青年は、後悔と悲しみと屈辱と無念と怒りと憎悪を胸に、この世を去ったのだ。
ティアルはその様子を、満足そうに見つめる。
「カカカカ!!カカカカカカッ!!やっぱりイイなァ!!この瞬間が一番イイッ!!最後はやっぱデザートだよなァ……ッ!!この何とも言えない表情……ッ!!たまんねぇよッ!!」
ティアルは青年の顔を見る。
死んで尚、あらゆる負の感情に支配されたその表情は、ティアルの股間を存分に刺激した。
ティアルは口を大きく開け、待ちに待ったその時を迎える。
「いただきま~す」
食欲と性欲が一緒に湧き上がり、恍惚に表情が歪んだ。
ティアルの鋭い歯が顔に近づき、いよいよ青年の全てを食らう時。
待ちに待った、最後のデザートをいただく瞬間ーー。
だがその時……
本当に、その時のことだった。
ふと、
突然感じた熱気ーー。
焦げるような臭いーー。
地下にあるこの部屋が、急にひどい熱を帯び始めたのだ。
「何だ……?」
ティアルも流石に動きを止める。
ティアルの持つ野生の勘が、緊急事態だと告げていた。
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