そして、あの日に巻き戻る
桐弦 京
はじまりはじまり1
これより始まる話の舞台となるのは、三日月状の大きな島とそれに囲まれて存在する1つの小さな島、それらを指してクリファ大陸と呼ばれる場所。1000年もの昔に魔王と呼ばれる強大な力を持っていた異形を打倒し、平穏をもたらした10人の英雄の伝説が語られる地。
そんな英雄たちの話は今でも歌や舞台にと目にする機会が多い。そんな中でもよく知られるのが、アーティファクトと呼ばれる彼らが用いた道具の存在。神によって与えられた至高の品であり、現在存在する7つの国においても王権や国を象徴するものとして継承されている。
中心となる人物たちは、そんな至高の品を継承する国の代表者たち。彼らの中での共通の話題は昨今の魔物の活性化による被害について。魔物は魔王が台頭する以前からこの大陸に存在し人々を悩ませていた存在。そんな存在におかしな動きがあることが各国に報告として挙がってきている。そんな折に、新教会と呼ばれる宗教組織の代表者である教皇よりこの魔物への対応について話し合うべきという提言がなされた。これに各国の首脳が賛同。魔王がかつて拠点としており、現在では新教会が管理しているトフー島と呼ばれる中央の小島にて会談が実施される運びとなった。
時は満ちた!
各所へ蒔いた種も芽吹くだろう。
役者もそろえた。
数名には非常に申し訳ないことをすることになる。前途ある若者の未来を断つことはしたくないが、今この時を逃せば次に機会が巡ってくるのはいつになるかわからない。というよりこれ実行して成功すれば、もっと多くの若者の命に係わる事態が発生するような?……うん、気付かなかったことにしよう!その方が僕の精神面において平和でいられるし。
さてさて、十分すぎるほどの布石を打ってあるけどどうなるか。それは神のみぞ知るってところかな?所詮は僕の自己満足のための計画。成功すれば、この大陸は大変なことになるけど僕としてはヨシ!逆に失敗すれば、どこまでかによって被害は変わるけどそれでも割かし大変になって僕としても納得できる。僕としてはどちらでも構わないし、大陸やそこに住む者たちからすればどっちも勘弁しろ、そう思われるだろう計画。あの日と完全に一致させられるわけない以上、今とあの日との最大の違いを取り除くこれのために500年も準備してきた。君たちにも随分と負担をかけたと思う。あともう少しだけ力貸してくれる?ありがとう。
さあ、始めようか。僕のちゃちな復讐劇を、ね。
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