マヤについて

滝雄然

私の中にあなた


風に溶けたあなたの香りが私を通り過ぎて

どこかへ向かうみたいに消えた


青い空を控えたあなたの肌の色は

急に外国風にみえる


太陽が切り拓いた新しい色のあなたの瞳は

私には教えない沢山のことを知っていた


感覚を引き留める必要がある

感覚を綴じ込める必要がある

言葉を蓄積させる必要がある

波の音から切り集めたあなたの言葉を

受けて私の内部に剥がれ落ちる言葉を


広い世界に囲まれて私は

私の中へ全て閉じ込めるのに忙しい

あなたがそんなにも簡単に

私達の外なんかの一部になるから

私は私の中に もっと全部が欲しい


広い世界をわかるのが痛いから

そんな所に立つのはやめてよ

私の中の風と空と太陽で

あなたを抱き閉めてしまいたいから

もう帰ろうよって 言いそうになるよ





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