第133話

「う~ん」


花音が目を覚ますと、古城のベッドだった。


(ということは、一緒に寝ちゃったんだ……。キャー!)


花音は恥ずかしくて、シーツを頭からかぶった。


(チャッピーがはしゃぎすぎるからって、部屋に勝手に入った上に寝てしまうなんて……自分が信じられない……)


花音は頭を抱えてしまった。


(あ、……古城さんもチャッピーもいないみたい。ランニングに行ったんだわ。せめて朝食を作ろう……)


急いでキッチンに行って準備を始める花音。


(あ~、も~今日はママの手術の日なのに私ったら浮かれちゃって……)


花音は自分の頭をコツンとたたいた。


「お、おかりなさい。あ、あの……」


昨日のことを謝ろうとすると、古城がニコッと笑って


「ただいま。よく眠れた? 部屋に戻そうかと思ったんだけど、僕も眠くなってしまって……」


と言った。


「は、はい! あの、ごめんなさい。有難うございます!」


花音が真っ赤になって答えるのを古城は微笑ましそうに見つめた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る