【完結】文書(ぶんしょ)ロイド文子シリーズ原典 『サッカ』 ~飽話(ほうわ)の時代を生きる皆さんへ~  俺は何が何でも作家になりたい! そう、たとえ人間を《ヤメテ》でもなぁ!!

春眼 兎吉(はるまなこ ピョンきち)

プロローグ 文書ロイド(文章作成補助システム)との出会い


 思えば、アレがすべてのはじまりだったんだ。


 帰宅後、何気なく開いたパソコンのウィンドウ。そこに『体験版』と銘打たれた文章作成ソフトが届いていた。なんだ? スパムか? そう思ったが、のぞいてみることにした。だって今の俺は文章作成を向上する必要があったから。


 早速、インストールしようとすると、『本ソフトの説明』という注意表示が出てきた。


文章作成補助ぶんしょうさくせいほじょシステム

・昨今のボーカロイドの人気にあやかったわけではないですが、本システムを『文書ぶんしょロイド』システムと呼称。

・有限会社 MUSTシステム 文書ぶんしょロイド『文子ふみこver.0.75』

※本製品は試作品です。動作中のいかなる故障こしょう、いえ、呼称こしょうですかね。あとは起動中に起こるであろう人権侵害じんけんしんがい、訂正します、人心侵害じんしんしんがいですね。その他もろもろの不具合にも笑顔で目をつむってください。照屁てへ

……少し乱文過ぎました。でも文子を前にした方々、最後にこう問います。



「人間『ヤメテ』でも作家になりたいですか?」



 なんだ、このメッセージは。だが最後の質問に俺は『イエス』と答えた。どうしても作家になりたかったからだ。これで先輩をアッと言わせることができる。


 そう、はじめはちっぽけな俺の自尊心からだったんだ。

 だが、その日から俺は『徐々に』人間をヤメタ(外れていった)。

 ……それまでの俺は、ちゃんと人間していたんだろうか?

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