先負に、通勤を射た

 扉が閉まり、電車が動き始めた。発車と同時に外套のポケットから、ニンテン…ではなく、椎名誠の『にっぽん・海風魚旅3/小魚びゅんびゅん荒波編』(講談社)を取り出した。

 始点から終点まで。通勤電車の乗車時間は、俺にとって、貴重な読書機会と云える。これがなかったら、俺の読書量は大幅に減るだろう。在宅時は、意外に本を読まない。他の遊びに夢中になってしまうからである。


 終点下車。駅から職場まで、徒歩で移動した。途中、魔物の群れに襲われることもなく、無傷で売店に辿り着くことができた。新発売のラベルが貼られた菓子パンとホットコーヒーを買った。

 売店を出て、休憩広場に足を進めた。窓際の卓席に座り、殺風景な風景を窓越しに眺めながら、新発売の菓子パンを食べた。


 食後、コーヒーを飲みながら、ラジオの情報番組を聴こうとしたら、電源を入れて数秒もしない内に機能が停止してしまった。故障ではない。電池切れである。新しい電池と交換すると、機能が復活した。今日の話題は「自分の誤りを認めない人たちについて」であった。


 午前業務終了。職員食堂に行き、券売機でBランチを買った。本日のBは「白身魚のチーズ焼き」であった。ボリュームは不足しているが、味はまあまあ。水分補給後、休憩ルームに行き、荒波編の続きを読んだ。〔15日〕

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