めちゃくちゃハズい死に方したのにイケメンにプロポーズされて800年も好きだったって、それどゆこと?
陸 なるみ
第1話 真っ白い部屋で会ったイケメン
「脱げよ」
「はあ?!」
異様なオーラを纏った目の前のイケメンの言葉に耳を疑った。知らない男子。二つ三つ年上だろう。下唇を噛んでいるのか見事に不機嫌そうだ。
何もない四方八方真っ白の部屋でソイツだけは玉虫色の後光を放ち、無造作に羽織った白ティーが薄青く見える。
口元より恐いのはその眼だ。漆黒の瞳は煌めきもなく、一夜干しの魚みたいに表情が読めない。
「服が違う。さっさと脱げ」
私は焦って自分のいでたちを見た。いつもの高校の制服、高1と高2の春とを過ごしてきたもの。
「おまえは病院で、三週間昏睡状態だった。その後死んだのだから患者服だろう? 制服で現れるということは、学校に執着しているということだ。地縛霊になり得る」
「じばく……れいー!?」
「学校の七不思議にでもなりたいのか?」
白い壁に寄りかかって腕組みをする男はジーンズを穿いていると思うのに、目を擦っても上半身しか見えない。
「おまえは、非常階段で足を踏み外して後頭部をかち割った」
「あっ!
自分は死んだらしいとぼんやり理解したら、口をついて出たのは親友のことだった。
「告白していた女か? それともおまえが追いかけていたほうか?」
「芽衣! 追いかけてたほう!」
「助けたければ早く脱げ……」
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