レジェンドオブリリック
鴉
第1話 コロナ
またいつもの日々が始まる
マスクをした連中と共に満員電車に乗り、会社へと向かう
車内で咳するだけで訝しげな視線を浴びる
しょぼくれた中年のおっさんが見て新聞には、またコロナの重症者が過去最多だと書いてある
この中で感染者がいたら即蔓延
そんなスリルと隣り合わせに駅を降り会社へと向かう
街中ではマスクをしないDQNがたまにいる
マスクをしてないのは小さな子供と人生を諦めた連中だけ
そんな詰んだ連中を横目に会社につく
一年前からある消毒液を指にかけ、体温チェックをしていざ仕事
社内ではソーシャルディスタンスで距離を置きパーテーション
ブスだったあの子はマスクをしてるから美人、気持ち悪いあいつもマスクをしてるからイケメン
おしゃれなのかただ単に売ってないのか、バラバラな色のマスク
社長に呼ばれて会議室へと集められる
「当社ではコロナの影響で……」
とうとう来たコロナ解雇
明日から俺ら無職サマ
やけ酒しようにも飲み屋は空いてなく
ヤケ食いしようにも遅くやってる店はない
ゴーストタウンと化した夜の街並み
あの活気はどこいった
巣ごもり上等
もっぱらゲームとネット三昧
だがそれももうじきできなくなる
世界に漂うモノローグ
一生治らないかもしれない後遺症
高齢者が感染すると即あの世行き
日に日に増えていく死者
なかなか決まらない、巷で人気の例の治療薬
毎日のように開く国会
「自粛してください」
200回ぐらい聞いた、お偉いさん方のセリフ
誰のせいでこうなった
だが、誰のせいにでもできやしない
迫り来るリアル
だが本当に怖いのは、生きるのを自分で放棄すること
親からもらった命
コロナに感染して死を考えるよりも、大事なのは今どんな生き方をするか
DQNのような馬鹿な真似をしない
周りの手本になる、優しい人間になれ
俺達はこの病をきっと克服できる
ワクチンという光明
続々とできてくる治療薬
反撃の狼煙は上がった
今度は俺たち人間様のターン
きっと勝てるさ
いや絶対に勝てる
コロナが終わったら、戻ってくる日常
それをフェイクだという連中は言うが、本当にフェイクか決めるのは自分次第
俺達は生きる
また来る幸せな日々に向かって生きる
暗闇でもがけばもがくほど人の痛みがわかる
希望があるのならば信じよう
人類の医学はそんなやわじゃない
明日に向かって俺達は生きる
ウイルスに打ち勝つために
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