第25話 サリュート聖教国へ
ピエール国王「久しぶりだね、勇者パーティーの皆さん、特に勇者君?キミ、体調不良でこの前、パーティーを欠席したけど、どう、その後?」
みんながオレを見た。
けっ!
何も話すことなんか、ねーよ!
オレは、心の中で悪態をつく。
「絶好調です!」
ウソをつく。
ホントは、いつも身体を追い込んでいるので、どこかしらが痛いし、疲労している。
筋肉痛は、身体の危険信号でもあるが、それを生じさせる原因物質を強制的に消失させるヒールは、実は、身体の強化の為にはオススメ出来ないのだ。
そういう痛みが実は、自己の再生能力を上げ、自己の筋肉を強化することがわかってきているらしいと特殊能力は言っている。
だからオレは、ヒールで完全回復をわざとしない。
ピ「そう?だったら安心だね」
シ「それでは、これからのことを簡単に説明する。」
そう言って、シモンは、喋り出した。
オレ、もう、コイツら信用してねーし。
コイツらのオーラが信用できねーんだよ!
オレの勇者の力、舐めんなよ!!
って事で、話しを聞くフリして、これから足を引っ張るであろう、聖女たちを観察していた。
アヤカ=アーネット、チビで黒髪黒目でショートボブのキバが出てるヤツ。
ジャポニカ王国からの回し者だったか?
ムネは・・・ルーシーの方が形が良いに決まってる・・・たぶん。
ピエールを見る目が、乙女だよっと!
けっ!
オーラは、恋するピンク色、
エリーナ=ルーチェ、背が高く、小顔。薄青い髪、空色の目、美人だが、ムネが残念。
天才剣士らしいが、どうだろ?
モデルやってた方がいいんじゃね?
ムネがねーからダメか笑
けっ!むねしいなぁ~~・・・・・。
ソフィア=ファーガソン、これも、ちょいチビ。
髪はプラチナ。
ムネは、ブラちらって感じの衣装をするな!ルーシーの方がデカいし、形が良い・・たぶん。
コイツの優し気な眼差しには要注意だ!
そして、コイツの丁寧な口調とムネの弾みにも要注意だ!
さらに、コイツの笑顔にも要注意だ!
ええ~~~い!ムネも顔も吐き出る言葉も全部、要注意だ!!!!
つまり、一番の要注意人物だ!
迂闊にはしゃべれねーぞ。
オーラだけでは判断が付かん・・こいつは、やっぱ、化け物かもな!いやらしい(癒しの)聖女って浮名があるくらいだからな!!
エリーナは剣技だけの単純バカで、アヤカは色ボケのムネだけ女で、ソフィ―ナは・・・いい子ちゃんぶりっ子の偽善者でいろいろと要注意なクソビッチだ!
このように、特殊能力も駆使して、人物を評価した。
まあ、当たらずと言えども遠からずってとこらしい・・・うん?特殊能力は回りくどいな・・つまり、この評価は、ほぼほぼイイ線いってるってことだよな。
シモンのおじいが言ってることの詳細は、ソフィ―ナが覚えているだろうから、任せたらいいよね。
へへ、オレは、ソフィーとは言わねーぞ、このビッチには。
まあ、まだ、このくらいの嫌がらせ?しかできねーけどよ!けっ!
オレが理解したことは、とにかく、サリュートへ行くってことだ。
いちいち、そんなことに詳しい説明とか、要るのか?
ピエールが、サリュートへ行けって言って、おしまいじゃね?
そう、文句ばかりが浮かんできたり、ルーシーってやっぱ、美人だなってことを考えたりしてた。
えっ?オレ、性格が変わった?
ああ、変わったよ・・・でも、まだ、オレの心は濁ってねーからな!こいつ等とは違ってよ!
そうして、オレは、クソビッチのソフィーナしか話したことがないという、この勇者パーティーで旅することになった。
しかも、聖女たちと同じ馬車に乗らないといけない。
気まずい・・・話したくねーし、話し掛けるなよな!!!!
ソ「あの、勇者様、これからよろしくお願いしますね」
エ「トーヤ、よろしく」
ア「よろしくね、勇者さん♡」
ト「・・・・・よろぴくね・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
だから、嫌だったんだよ!!しゃべるの!!緊張して、カンじゃったじゃねーか!
ト「お前ら!そこ、笑うとこだろ!!」
ソ「うふふふふ、ほら、トーヤさんは、こんなに純情で気さくな人なんですよ。みんなも、安心して、気軽に話そうね!」
いやいやいや、話すなよ!ってか、気軽になるなよ!!早速、ソフィーナめ、嫌がらせか?しかも、こんなに純情で気さく・・こんなにって、ディスってるのか!
エ「トーヤは、まだ、ボーヤってわけね、かわいい」
はあ?コイツ、何気に上から目線じゃねーか?お姉さまって感じを出そうと思ったら、もっと、ムネをデカくしろよな!
ア「えへへへへ、エリーちゃん、うまい!トーヤくんは、捨て身でギャグを放り込んだんだよね!お姉さん、そこは評価するよ!」
出たよ、もう一人、お姉さんが!捨て身・・・オレ、そういうイタイヒトなんだ・・・ってか、評価するな!お前の一番はエロそーなムネじゃねーのかよ、お前ってなんか一番えらそーなんだよ!
こいつ等、オレのこと、ホントにナメテルよな!!!
ル、ルーシー、助けて!!
今回は、ルーシーと一緒ではないので、早く帰って、彼女とウフフな事をしたいって、オレは強く思った。
ソ「それでは、まずは、勇者様の名前の呼び方だけど、どうしようか?」
えっ?どうするの?
エ「トーヤでいいんじゃない?ボーヤだし」
お前、そのダジャレっぽいの、2度言うなよな!こっちが恥ずかしいからね!
ア「トーヤくんで、いいんじゃない?同じ年の男子には、こんな感じだよ、ジャポニカでは」
もう、お前、ジャポニカへ帰れ!馴れ馴れしく、君付けするな・・・・まあ、ちょっと、良い感じ・・・いやいやいや、オレは譲歩はしねーからな!
ソ「まあ、それじゃあさあ、勇者って固い呼び方は止めて、トーヤ君とか、トーヤとかでいいかな?トーヤ?」
おまえ、いきなり、勇者様からトーヤに格下げして、しかも、タメかよ!!
しかも、その笑顔で下からの上目使い・・・これだよ!これに貴族男子もやられてるんだよな!オレは・・・オレは・・・・・・・・。
ト「・・・まあ、いいんじゃね?」
はい、オレ、堕ちました!まあ・・・いいんじゃね・・・そんくらいは・・・・。
にしても、馬車の中では、聖女たちがうるさい。
剣聖(サーヤのこと・・・もう、サーヤという名前を言わないことにした)との馴れ初めを訊いてきたり、デートの事とかを訊いてきたり、キス以外の進展はないのかを訊いてきたり、ホントにうざい。
だから、言ってやった。
アイツとは婚約を破棄したと。
エ「えっ?」
ア「あっ!」
ソ「・・そ・そうだったんだ、ごめんなさい」
エ「ごめん、めんご、なんかドンマイ」
ア「ごめんね、でも、なんで?」
なんか、ひとり、ドンマイとか言ったよね?しかも、なんかって!その前、めんごとか、エリー、お前、ホント、オレのこと勇者とか思ってねーよな!
ト「それは・・・・・」
ここで、寝取られたとか言ってしまう事は、このビッチ達の狙い通りの予感がする。
まず、オレのこと、ダセー奴って事が確定する。次に、他の男と寝たくらいでちーせーヤツって事が確定する。
そして、何よりも、こいつら、剣聖が寝とられたことを知っているはず。
だって、同じホテルに行ってるし。
いや、こいつら、集団プレイ?をしたのかも?
あり得るな、何せクソビッチだからな!
てなことで、寝取られたとか言うのは却下。
ト「・・オレは、まだ、魔王を倒してないからだ。それまではあいつと結婚ができねー。だから、魔王を倒してから結婚したいと思う。でも、あいつももう成人をした。魔王倒すのに何年かかるかわからん。だから、あいつをずっと待たせるのは忍びない。だから、婚約っていうあいつの呪縛を解いてやったんだ。もしかしたら、あいつは俺とは違う男性と出会って恋に落ちるかもしれないからな。会えなかったから婚約破棄は手紙でしか伝えられなかったけど、彼女は承知したと思うよ」
長文だったけど、うまく言い訳をしたぜ。
ソ「トーヤ、トーヤはそれで良いの?」
ト「ああ」
ソ「私にあなたたちのことをとやかく言う権利は無いけど、でも、あのサーヤさんがそんなことで承知してくれるとは思わないわ。あの子はずっとあなたのことを想ってるわよ、たとえ何年かかろうともね」
ト「ソフィーナ、君に何がわかるって言うんだ?君は、短い間しか一緒にはいなかったはずだろ?あいつの事は俺が1番よく知ってるさ、昔からの付き合いだからね」
ア「そうね、幼馴染みだったんだっけ?」
ト「ああ」
ソ「えっと、ソフィーでいいよ、トーヤ。それと、幼馴染って事だけで、知っているつもりになるのって、どうなのかな?」
ト「えっ!?」
ア「えへへへへ、ソフィーは優しいだけじゃなくて、キツイことも言う、こんな裏の顔もあるんだよね」
ああ、やっぱ、そうなんだ!ソフィーナ、おまえは要注意だ、忘れるとこだったぞ!
ソ「アヤカ、変な事、言わないでよ。わたしは、トーヤとサーヤのことを想って言ってるんだし」
ア「まあまあ、で、ソフィーも言うように、幼馴染あるあるってあるの知ってる、トーヤくん?」
ト「知らねーよ、なに、それ?」
ア「幼馴染を持つ女の子には、常識なんだけどね、ソフィー、エリー?」
ソ「うふふふふ、でも、そうね・・・」
言葉を濁すソフィーナ。
エ「えっ?知らないよ」
知らねーのかい!エリーは!なんか、はじめて、親近感が沸くぞ!
~~~~この会話は次回へつづく・・のか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この感じは、前作「ぼくヘタ」のノリになってきた。
シリアス路線に舵を切ったのに!
こんなやり取りが好きな方は、そして、ダジャレが好きな方は、ちょっと、サスペンス要素とか、たくさん鬱要素とかもある「ぼくヘタ」を覗いてみて見てね!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。