第18話まあばあちゃんの口ぐせ

まあばあちゃんが幸せって思うとき、まあばあちゃんには一日に何度か繰り返す言葉があります。


「私は幸せだね。こんなに幸せでいいのかしら」


おいしいお茶を入れてもらったり、立ち上がるときに、ちょっと手を添えて助けてもらったりすると、必ずそう言って、いつも家族の人に感謝しています。


朝の散歩で、「おはようございます。おばあちゃん、いつもお元気ですね。」と近所の人に声をかけられると、「有難う御座います。いつもお声をかけて下さって」と答えます。


まあばあちゃんの心は「おはようございます」と言われるたびに幸せな気持ちになるんです。だから朝のお散歩は、まあばあちゃんの一番幸せな時間なんです。


「ねっ、ジロ、私たちは幸せだね」


ジロは嬉しそうに見上げます。その顔は「僕も幸せだよ、まあばあちゃん大好き」と言っているように見えます。まあばあちゃんが幸せなのはどんな小さなことにも感謝しているから幸せを呼び寄せているんですね。


そうだね? ジロ。

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