第10話おばあちゃん、これが本物のフリーマーケットよ

この区民祭りのフリーマーケットは、まあばあちゃんの思っていたのとは違って手作りの雑貨や家で使わなくなった物を売っています。まあばあちゃんはフリーマーケットのことがよく分からないので、先日行った公民館と同じように思っていたのです。


「ここは、お野菜売ってるところがないのかなあ」


トモちゃんはまあばあちゃんを喜ばせようと思って、キョロキョロと探しましたが、やはり野菜は売っていませんでした。それに、ちゃんと説明しておかないと、今日みたいに遠い道のりを一人でトコトコとフリーマーケットを目指して来てしまうかもしれません。


「おばあちゃん、フリーマーケットっていうのはね。買ったけど着なかった服とか、ほら、お祝いのお返しでたまった食器とか毛布とかそんなのを必要な人に買ってもらうところなんよ。おばあちゃんはお野菜が欲しかったんでしょう」


「うん」


トモちゃんの言葉にまあばあちゃんは小さく頷きました。


「でもね、おばあちゃん。ここは楽しいよ。いろんなものがいっぱいあって」


トモちゃんはまあばあちゃんを元気づけようと、ニッコリ笑いました。

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