元彼ドロップス

碧瀬空

冒頭


 報われないと嘆いても、

 無情にも明日は巡ってきます。


 どれだけ過去を悔いて、

 その罪を贖(あがな)おうとも、

 決して赦される日は

 やってこないでしょう。

 

 そう、永遠に。

 


(あのときああしていたら、

 今頃は君の隣でいられたかな。

 幸せだったかな。

 あのとき引き留めていれば、

 そこにいたのは私だった?)



 絶望の淵に瀕した彼女が

 深層から欲したのは、

 元彼との過去を再演すること

(人生のコンティニュー)でした。



 ――愛してた、愛してる。



 その事実さえ歪むこの世界。



「元カノとやり直すなんて体裁が悪い」

「振ったくせにヨリを戻そうなんて、

 身勝手にもほどがある」



 人生に絶望したとき、

 あなたは何を願いますか?

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