身体は児童、中身はおっさんの成り上がり冒険記
力水
第一章 ミラード家編
プロローグ
灰色の海に私は浮かんでいた。灰色というのは私の勝手な主観であり、黒と白が
ともあれ、私はそんな
(へ~、今度の
頭の内部に直接
「誰かね?」
声が出ることに
私の
(僕を見てもそのリアクション、君変わっているね)
白色の物体の声色には、
ふむ、そのリアクション、私の視界が狂っているわけではないわけか。だとすると、この
「話を進めて欲しいのだが?」
(うーん、どうも、調子狂うなぁ~)
「誰かね?」
これ以上、無駄な会話に付き合うほど私は
(……わかったよ。僕は――そうだね、
水先人とは、特定の場所へ安全に
「どこへのだろうか?」
(
「ふむ、いくつか疑問はあるが、ならば、さっさと案内してもらおう」
(……)
絶句する案内人。
「
(君、絶対変だよ)
そんな
「それも、タブーだな。やれやれ、今時の若者は、
(あのね、僕は君より
「それなら、より問題だと思うがね。それはそうと、早く、話を進めたまえ。君と違って、私は
(
ぶつくさ
「これは何だね?」
(それは設問。その設問の正答率によって、成長率や与えられる
そのとげのある声からも、この子供(のような大人?)はへそを曲げてしまったらしい。どう
「問題は二〇問か。いいだろう」
しょせん、子供の遊びだが、たまにはこの手の
私はペンを持つと、ボードにペンを走らせる。
……
…………
………………
『試験終了。
頭の内部に反響する
(……嘘だよ)
明らかに
「嘘と言われてもな。
(子供……だまし?)
「ああ、もしくは、自身の
もっとも、実のところ、最後の設問だけは、私としても多少、興味がそそられたわけだがね。
『
ギフト――《魔法の設計図》を獲得いたしました。
ギフト――《円環領域》を獲得いたしました。
ギフト――《万能アイテムボックス》を獲得いたしました。
ギフト――《万能転移》を獲得いたしました。
以上で全行程を終了し、
(嘘だ、僕は信じない……)
未だに頭を抱えて病んだ声でブツブツ呟いている白色の子供を尻目に、まるで市役所の役人のように淡々と手続きを完了していく機械音の女の声。このギャップは中々にシュールだ。
『それでは、《アルテリア》の世界を存分にお楽しみください』
その声の直後、黒と白の螺旋状の帯が、
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