パソコンオタクとわがまま美少女
✩と桃ちゃん✩
✩出会い
春 この季節は新しい事が始まるドキドキワクワクする季節
新しい会社、新しい学校、新しいクラス、新しい友達など自分の経験したことの無い事を体験出来る楽しい季節
この春小学6年生になる【葉山 美凪】も新しいクラス、新しい友達に会えることをワクワクしながら登校していました。
彼女はふわふわのウェーブがかかった髪の毛にくりっとした大きな瞳、誰もが認める美少女でした。
しかし思ったことは口にしないと気が済まない性格でわがままと思われがちですが、誰にでも気さくに話しかける明るさから男女問わず友達は多いのでした。
教室に着き大きい声で挨拶すると、あちらこちらから“美凪おはよー!”“今日も元気だなー”と返事が返ってきます。
それに挨拶を軽く返しながら自分の席に向かうと4年生の頃からの親友【加奈】が手を振りながら待っててくれていました。
「美凪おはよう」
「おはよう加奈、待っててくれたの?」
「もちろん、美凪が楽しみすぎて変なことしないか確認にね(笑)」
「何もしないわよ、失礼ね」
「冗談だって、むくれると可愛い顔が台無しよ?」
「むくれてても可愛いもん」
「はいはい。」
「もー!」
とこんな感じで加奈は美凪の自慢というか自信というかポジティブな思考を軽く流し、それでいてダメなところはしっかり指摘してくれる。
お互いに馬が合うのです。
そんな話をしていると、もうすぐ先生が来る時間なのに隣の席が空いていることに気が付きました。
「加奈、私の隣の席の人まだ来ないのかな?」
「本当だ、もうすぐ時間なのにね」
チャイムの音と同時に教室のドアが開き先生が入ってきました。
加奈をはじめ、それぞれの生徒が自分の席へと戻っていきます。
隣の空席は気になるものの、前を向き先生の話に耳を傾けると・・・
「今日新学期はじめに、新しいクラスメイト転校生を紹介するぞー」
担任の宮本先生が入ってこいと言うと、ドアが静かに開いて小柄な男の子が入ってきた。
その子は先生の隣に立つと、ゆっくり顔を上げクラスを見渡すと気まずげに目線を下ろしてしまった。
「えーと、都内の別の学校から転校してきた斎宮 晃太郎くんだ。まぁ仲良くしてな」
「・・・【斎宮 晃太郎】です、よろしくお願いします。」
先生の有り得ないほどの雑な紹介と男の子の諦めたような緊張した自己紹介に一瞬フリーズしたクラス一同はパチパチと疎らに拍手を送るのが精一杯だった。
「席は・・・葉山の隣が空いてるな。」
宮本先生に促され手を挙げると美凪の方へ向かって歩き隣に座った。
他の生徒達がちらちらと見る中、号令がかかったので授業に集中する。
しっかりと挨拶を交わして。
「はじめまして、私葉山美凪よろしくね」
「はぁ、よろしくお願いします。」
溜息にもにた挨拶だったが、緊張しているのだろうと思いあまり気にしないことにした。隣の席なのだ、これから仲良くなっていけば良いだけのことだから。
この出会いが2人にとって特別で大切な出会いになることをこの時はまだ知らなかった・・・
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