第4話 二人の作る新しい物語

「さあ書いていくよ。でも小説ってどんなふうに書くのかしら?あなたそれぐらいは知ってたりしないの?」

流石に書くとは決めたけど私だって小説なんて書いたことがないのだから彼に聞いてみることにした。

まあ一切期待してないけどね。そして彼が口にした言葉は予想した通りのものだったのでした。

彼は、「ノリで書くものじゃないの?」と言ってくる。

やっぱり一人で頑張っていくしかないようだ。しかし、こんなふうに過ごすのがとても新鮮で私はこの先何が起きるのか予想して笑ってしまうのでした。

そして彼はふてくされた声で言ってきました。

「なんでお前だけそんなに楽しそうにしてるんだよ。ずるいじゃないか。なんで笑ってたのか教えろー」

やっぱり彼は面白い。最初は何だこいつ人の体で文句言ってきやがってと思ってたけどこんな生活もいいな思ってきたのでした。

そして私は彼の質問に対して、「あなたのそんなところが面白いんだよ」と言ってやったのでした。その時の彼はとても恥ずかしそうにしてるように私は見えたのでした。

さて、そろそろ本題に入ろうとしよう。

このままでは、一生本を書き終わらない。それだけは嫌だ。しかし、本当にホントは何を書けばいいのだろう?それを学ぶために私はこれから一日本を読み続けるのでした。

そして一日後、彼女は本を書こうと思ったところで私は一つ疑問に思ってしまったので彼につい聞いてしまうのでした。 

「あなたは私が小説家になった場合どうするつもりだったの?」

それに対して彼は、「その先も死ぬまで一緒日本を書いてもらうに決まってるだろ。そんなこともわからないのか?」

彼の言葉に私はびっくりしたのでした。

「この一冊だけ書けばいいんじゃないの。流石に一生書き続けるのは嫌に決まってるでしょ」

それに対し彼は、「そうなのか。だが絶対にまだ書きたいと思わせてやるからな。首洗って待ってな」

いやいやそれだとあなたも死ぬけどいいのかな?まあ言ってる本人が楽しそうにしているのだから何も言えなかったのでした。

さあそろそろ書き始めて行かないといけないよね。

でもこのやり取りで書くことは決まった。

こんな私達がこの物語の中だけでは輝けるような最高の作品を作ろう。読んだ人の心を変えてこんなふうになりたいと憧れるような作品を作る。

そのために、私は退院するまでの一週間すべてを使ってこの作品に向けることを誓うのでした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る