第12話 まさか初日に燃えるとは
ティルディスに戻り、グウェンさんの家に寄って生活に必要なものを回収してから、オレの家に戻ってきた。
「とりあえずこの部屋を2人で使ってもらっていいかな。あまり使ってない部屋だから、まずは2人で片付けとか掃除をしておいてくれるかな。」
「わかりました!」
「任せるのだ!」
「後で“ウォーターマット”は作るけど、その他の必要な物は今買いに行ってくるから。セラーナが必要なものはまた明日一緒に買いに行こう」
「はい! お願いします!」
「あと長旅で洗濯物とかも溜まっているかもしれないし、洗濯するならしてていいよ。大変だったら後でオレが洗うけど……そういう訳にもいかないと思うし。セラーナに“クリーンウォッシュ”を教えてあげたし出来るでしょ? 干す場所は居間の端の方でいいけど……自分の部屋に干してもいいかもね」
「はい! 大丈夫だと思います!」
「あとお茶とかはこの辺にあるし、お腹空いていたらこの辺に色々あるから適当に食べていて。トイレはあそこでお風呂はあっち。お風呂は最近魔法を使って入ってるんだけど、今すぐ入りたかったら薪を使って沸かしてもいいよ。あとでよければオレがいれるけど」
「私は後でも大丈夫です!」
「わたしも大丈夫なのだ!」
「わかった。とりあえず今日の夜ご飯は食材を買ってきたらオレが作るから、終わったらゆっくりしていていいからね」
「「はーい」」
「じゃあ行ってきまーす」
「いってらっしゃいなのだ!」
「いってらっしゃい!」
2人に掃除などを任せてグウェンさんとセラーナが使う寝具などを買いに行く。
ずっと一人だったから、『行ってきます』なんて言うのも久しぶりだ。
『いってらっしゃい』と送り出されるのも久しくなかった。
そして『ただいま』といったら『おかえり』と迎えてくれるだろう。
何気ない一言だけどとても嬉しく感じる。
ふと両親の事を思い出して寂しくなったけど、今後の賑やかな生活を思うと、少し楽しみになってくる。
あとは2人が仲良くしてくれるといいんだけど、まぁ大丈夫だろう。
……多分大丈夫だよね?
◆
「グウェンさん、ベッドはどっちがいいですか?」
「うーん。どっちでもいいのだ。あ、でも夜中トイレに行くかもしれないし、起こしちゃったら申し訳ないから入り口側でいいのだ」
「わかりました。でも私もトイレに行って起こしちゃったらごめんなさいね」
「気にすることないのだ! お互い様なのだ!」
「じゃあまずお片付けとお掃除をしちゃいましょうか」
「よーしやるのだ」
2人で換気をしながら掃き掃除や拭き掃除をしていく。
「ヴィトは一人暮らしなのにこんな広い家に住んでいるんですね」
「元々両親と一緒に住んでいたのだ。でも両親は5年前に亡くなってしまったのだ」
「え、そうだったんですね……。危なかった。余計な事聞いちゃうところでした……」
「ヴィトはそんなことで怒ったりしないのだ。でもたまに家族がお店に来たり、家族連れを見たりするとちょっと寂しそうな顔をしている時があるのだ……」
「5年前って言うと12歳ですもんね。そこから一人暮らしか……。私じゃ耐えられないかも」
「わたしもそうだけど、タックやススリーのところも、近所の人たちも気にかけていたのだ。ヴィトはしっかりしているから人前では寂しそうな素振りは見せなかったけど、やっぱり辛かったはずなのだ……」
「当然ですよね。あ、じゃあここはきっとご両親が使っていたお部屋なんですね。大切に使わせて頂かなきゃ」
「そうなのだ! ピカピカにしてきれいに使うのだ!」
「はい! そしてヴィトが寂しさを感じないようにしましょう!」
「そうなのだ!」
あらかた掃除が終わり、自分たちの荷物を置いていく。
ヴィトが言っていた様に、結局10日ほどの王都滞在だったため、少しはしていたものの洗濯物が結構溜まっていた。
「じゃあお洗濯もしちゃいますね。グウェンさんのも一緒に洗っちゃいましょうか?」
「お願いするのだ! わたしはお茶でも入れておくのだ。セラーナ、薪に火を付けてほしいのだ」
グウェンさんは魔法が使えないので、私が代わりに竈の薪に火を付けた。
神様に授かったのは回復魔法と結界魔法だったけど、ヴィトに色々教えてもらったら、簡単な火や水の魔法も使えるようになってきた。
ただ、まだあまり上手くはないので今は薪に火を付けるくらいで精一杯。
折角一緒に住むんだからもっと色々教えてもらって練習してしなきゃ!
火がちゃんとついたのを確認して、私は洗濯物を持ってお風呂場に移動した。
石造りのきれいなお風呂場で、広々とした浴槽もついている。
「わーすごい! こんなきれいなお風呂見たことないわ! これは早く入ってみたいかも! 何なら一緒に……。お背中流しましょうかー? なんちゃって!」
軽く妄想をしながら、光沢のある石で作られた床にシャツ、パンツ、下着などに分けていく。
「グウェンさん、他に洗う物はないですかー?」
……返事がない。
聞こえなかったかな?
一応確認の為にお風呂場から出てグウェンさんに聞きに行くが、居間には居ない。
するとヴィトの部屋からガサゴソと音がする。
「グウェンさん? どうしたんですか? って何してるんですか!」
こっそり覗くとグウェンさんがヴィトの洗濯物を漁っていた。
「な、何でもないのだ! ヴィトの洗濯物も洗ってあげようと思っただけなのだ!」
「シャツに顔を埋めていたじゃないですか!」
「違うのだ! よ、汚れがないか確認していただけなのだ!」
「なんてずるい……。洗うなら私が洗いますから貸してください」
「大丈夫なのだ。ヴィトのは私が洗うのだ」
「グウェンさん、魔法使えないじゃないですか」
「真心こめて手洗いするから大丈夫なのだ」
「私が真心こめて魔法で洗っておきますから!」
そう言ってヴィトの洗濯物を回収してお風呂場に向かう。
「ま、待つのだ! セラーナばっかり大変だから私も洗濯するのだ!」
グウェンさんがヴィトのシャツを引っ張ってくる。
「大丈夫ですから! 手間じゃありません!」
「むぎぎ……。ヴィトの洗濯物は奥さんの仕事なのだ……!」
「ぬぐぐ……。グウェンさん別に奥さんじゃないですから……!」
「まだ式を挙げてないだけなのだ……奥さんも同然なのだ……!」
「挙げる予定なんてないじゃないですか……!」
ヴィトのシャツやパンツを2人で引っ張りあいながら言い争う。
セラーナの方が僅かに身長は高いが、力は拮抗していた。
負けられない戦いに全力を尽くして応戦していると、ビリッという音と共に急に抵抗がなくなった。
シャツが破け、思い切り引っ張り合っていた反動で、それぞれ反対方向に吹っ飛んでいった。
ドタッという音と共に尻もちをついてしまったが、グウェンさんは『ガッシャーン』とテーブルの方に突っ込み、テーブルごと戸棚にぶち当たっていった。
戸棚に入っていたコップや皿などが零れ落ち、床に落ちて割れていく。
「きゃー! グウェンさん! 大丈夫ですか!?」
慌てて洗濯物を放り出し、グウェンさんに駆け寄る。
脇腹を打ったようで痛そうにしているが、意識はあるようだ。
「うぐぐ……。何が起こったのだ? 痛いのだ……」
「動かないで! 食器が割れていて危ないですから! そのままゆっくり立ってこっちに来てください!」
グウェンさんに手を貸し、割れた食器を踏まないようにして戸棚の方から離れる。
「痛いのは脇腹だけですか? 頭大丈夫ですか?」
「脇腹と膝が痛いのだ。頭は大丈夫なのだ」
失礼な聞き方になっていたが、気付いてはいないようだ。
幸い頭は打っておらず、食器の破片で少し腕や足を切っただけの様で、深くは切れていないようだ。
脇腹はもしかしたら折れているのかもしれない。
「はー。とりあえず頭を打ってなくてよかった。今回復魔法をかけますね。ちょっと我慢しててくださいね」
まず腕の切り傷から“
「なんか焦げ臭いのだ」
「本当だ。って、あーー!!」
慌てて放り出したヴィトの洗濯物に竈の火が移って燃えていた。
「きゃー! 火事! 火事!!」
「あわわわ! 大変なのだ! 燃えてるのだ!!」
「きゃー! きゃー! 大変! どうしよ!!」
ヴィトの洗濯物が燃え、竈の前一帯に火が広がっている。
「水! 水なのだ!! 水をかけるのだ!!」
「どこどこ! 水どこ!!」
2人でパニックになりながら水を探す。
早く消さないと!!
◆
東町まで行ってセラーナとグウェンさんが使う布団や毛布、枕などを買ってきた。
一応、セラーナは青が好きだと言っていたので水色系の寝具を買っておいた。
グウェンさんは特に拘りは無さそうだけど、自分の家では薄いピンク色の布団を使っていたので、同系統の物を買っておいた。
柄の好みまでは分からないので無地のシンプルな物にしておいたけど、気に入ってもらえるだろうか。
まぁその内交換用の寝具も必要になるだろうし、自分の好きな物はその時に買ってもらうことにしよう。
今日の晩御飯の食材も買ったので荷物が多いが、スキルを授かってから力も上がっているのか、重さも苦にならない。
さらに風魔法を使えば手に持つ必要すらないのだが、浮かせておくと通行人を驚かせそうなので手に持っているふりはしている。
ただ、大きな荷物だとスペースが困るから、今度どんなものでも収納できるカバンでも作ってみようかな。
“
魔物と戦う際に大荷物だと大変だし、帰ったら挑戦してみよう。
そんなことを考えながら歩いていると家が見えてきたが、なぜかうちの周りに人だかりが出来ている。
胸騒ぎがして駆け寄っていく。
「どうしたんですか? うちで何かありました?」
「おぉヴィト! 危なかったな!」
「え? 何が?」
玄関までくるとグウェンさんとセラーナが座り込んで泣いている。
ススリーとタックが2人を慰めているようだ。
そしてなんか焦げ臭い。
「どうしたの2人とも!? 何かあったの!?」
オレに気づいた2人がさらに泣いて謝ってきた。
「ヴィトー! ごめんなさい!!」
「わたしが悪かったのだ! でもわざとじゃないのだ!」
「グウェンさんじゃないです! 私が悪いんです!」
オレに抱き着いてきて泣きながらお互いに自分のせいだと言ってくるが、何のことか分からない。
するとススリーが説明してくれた。
「どうやら洗濯物に火が移って火事になったのよ。たまたま煙が出ているのに気が付いたから、慌ててきて水魔法で水をかけたわ。居間が水浸しになってしまったけど、緊急事態だったから加減が出来なかったの。ごめんなさい」
「いや、そんなの気にしなくていいよ。むしろどうもありがとう。ススリーがいてくれて助かったよ」
2人を慰めながら家の中を見てみると、竈から居間の辺りが黒く焼けており、水浸しにもなっていて結構大惨事だった……。
なんということでしょう……まさか共同生活初日で家が燃えるとは……。
しかし、二人が無事だったので本当に良かった。
「2人とも、もう大丈夫だから泣き止んで。とにかく2人が無事で本当に良かったよ。このくらいどうにでもなるから気にしなくていいよ」
泣き続ける2人の頭を撫でていると、グウェンさんが手と足に切り傷を負っているのに気が付いた。
「グウェンさん怪我してるじゃないか! 他に怪我はない!?」
切り傷に手を当てながらセラーナに習った“
さほど深くはなく血は止まっているようだしすぐに治っていった。
「ヒック……脇腹も……痛いのだ……」
「わかった。ちょっとじっとしててね」
軽く脇腹に触れるとビクッと身体を震わせたけど、治療の為に少し我慢してもらい、“
徐々に痛みも取れてきたようだった。
「これで大丈夫かな。セラーナは怪我してない?」
「私は大丈夫です……」
「そうか、よかった」
服は濡れたり汚れたりしているけど怪我がないならよかった。
集まってくれていた近所の人たちにも言う。
「皆さんにもご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。もう大丈夫です。お騒がせしました」
そういって頭を下げると、『なんか必要な事があったら言えよ』とか、『落ち着いたらその子が誰なのか紹介しろよ!』とか、『グウェンさんだけじゃなくそんな可愛い子まで! お前1人で2人はずるいぞ!』とか言いながら皆家に帰っていった。
「ススリーもタックもありがとう。助かったよ」
「いや、俺は何もしてないけどな。片付けとか家の補修なら手伝うから言ってくれよ」
「うん。ありがとう」
「直すのにも時間かかるわよね。何だったら2人だけでも家に泊まる? 家族もいるから狭いけど、少しの間なら大丈夫よ」
「そうだね。とりあえず落ち着くまで一緒にいてあげてもらえるかな」
「わかったわ。さぁここで泣いていてもしょうがないわ。まず家に来て少し落ち着きましょう」
そう言ってススリーは2人を慰めながら家に連れて行ってくれた。
「でもヴィト、どうするんだ?」
「いやぁどうしたもんかねぇ……」
「ウチに泊まるか? オレの部屋も狭いけど寝るだけなら何とかなるぞ」
「ありがとう。とりあえず中を見てから考えるよ」
家の中に入ってみると竈の周辺が焼け焦げており、壁や天井にも黒く焦げた跡があった。
水浸しになっているのはススリーが魔法で火を消してくれたものだな。
テーブルや戸棚も倒れ、食器も割れたりして危ない。
一応、オレの部屋やグウェンさんたちの部屋などは大丈夫なようだったが、居間はこのままだととても使える状態ではなかった。
オレもお告げの初日に燃やしかけたが、この家は燃える運命だったのだろうか……。
「改めてみるとなかなか衝撃的な光景だな……。本当に2人が無事でよかった……」
「もう少し早く気づいていればよかったんだが、すまないな」
「いや、タックのせいじゃないし。2人の傍にいてくれて助かったよ。しかし……これを直すというのもなかなか大変だよね?」
「そうだなー。燃えた所は当然として、燃えていないにしても水が染み込んでいる部分があるからなぁ。そのままにしておくと腐ったりカビが生えてきたりするから、やっぱり変えた方がいいと思う。となると居間はほぼ全面的にやらないとだめだから結構お金かかるな……。親方に相談すれば少しは安くしてくれるとは思うけど……」
「だよねぇ……。かといって魔法じゃ壊れた物を元には戻せないしな……」
「俺も手伝うから、材料だけ買って俺たちでやるか?」
「いや、タックも仕事があるんだしさすがに悪いよ」
「でもこのままってわけにもいかないだろ?」
「うーん……」
このまま我慢して生活したとしても焦げ目を見るたびに2人は心を痛めるだろう。
というか、申し訳ないと感じてまともに生活できないと思う。
確かにショックはあるけど、2人が無事だったんだし、そんなに落ち込んでほしくはない。
かといってお金もそこまではないし、直すのも大変だし……。
「よし、新しく作ろう」
「えっ? 何を?」
「家を」
「誰が?」
「オレが」
「どうやって?」
「魔法で」
「え? どうやって??」
「実はさ、魔法を使えるようになってからお風呂場を改築したんだよ」
そう言ってタックをお風呂場に連れていき扉を開ける。
と、床には下着が種別ごとにきちんと分類されて広げてあった
「わーっ!? パンツ!!」
「え?」
慌てて扉を閉めた。
よかった、タックには見えていなかった。
「あぶねー。まさかあんなトラップが仕掛けられていたとは……。セラーナか? 恐るべし……」
「なんだ? パンツ?」
「い、いや、何でもないよ。セラーナたちの洗濯物があったからちょっと見せられなくなったけど。前までお風呂場も木で作られていたじゃん? それだとやっぱりカビとか隙間風とか入ってきてたし、魔法でブロック作りにしていたんだよ。」
「すごいな。うちの風呂もやってほしいぜ。冬は寒いんだよなー」
「いいよ。今度やってあげるよ。それで、この方法を使えば家も多分作れるんだよね。でも、どうせ家一軒丸ごと作るとなら、貴族の家みたいに水回りとか排水とか便利にしたいんだ。水の供給は魔法で出来るし、栓を開けたら水やお湯が出るみたいに。そうなるとどうやって管を通した方がいいかとか専門的な知識が必要だから、タック、付き合ってくれない?」
「いいけど、水を貯めておくにしてもそんなでかい貯水槽作れるか? お湯も沸かしてためておくのに結構薪を使うぞ?」
「フフフ……。それは多分解決できるさ。さっきはバッグを作るために考えていたんだけど、貯水槽は“
「すごいなヴィト……。もしそんなことが出来たらそれで莫大な金が稼げるぞ……。そして俺たち建築屋は職を失うぞ……」
確かにこんなことされたら職人さんはたまったもんじゃないだろう。
「そんなことしないよ。自分の家だけさ」
「それならよかったけど……。しかしヴィト……」
「ん? どうした?」
「めちゃくちゃ面白そうだな!」
「だろ!? やってみようよ!」
「もちろんだ! 建てる場所はどこにするんだ? この家は取り壊しちゃうのか?」
「いや、さすがに父さん母さんと住んでた家だもの、壊しはしないよ。こっちはそのうち魔法を工夫しながら直すとして、裏の畑に建ててしまおう!」
「広さ的には十分過ぎるな。めっちゃいい家が建てれそうだぜ!」
「よし! どんな家にしようか! 3階建てくらいにしちゃおうかな! ついでに地下室も作っちゃおうかな!」
「よし俺は図面を書いていくぜ! あ、地下室を作るならブルータクティクスの作戦会議室にしようぜ!」
「いいね! あとはそれぞれの部屋に広いお風呂にキッチンとトイレに……。あ、タックの部屋も作っちゃう!?」
「お、いいのか!? 頼むぜ! じゃあススリーの部屋も作ってやろうぜ!」
「いいねいいね! あとは? あとはどうする!?」
「バルコニーでコーヒー飲みてぇ!」
「おー! それ最高! 描いちゃって!」
「オッケ―任せろ!」
「あ、グウェンさんの研究室も作ってあげちゃおう!」
「さすがー! いいじゃんいいじゃん!!」
そんな感じでオレたちは好き勝手に要望を言い、ハイテンションで図面を描き上げていった。
タックは絵も上手く、外観のイメージも描いてくれた。
オレは土魔法でその辺の土や石をイメージ通りに加工できるし、簡単な物なら鉄についても火魔法で溶かして加工したり出来るので、うちやタックの家にあった使わない鉄製品などをかき集めて使うことにした。
準備をしていたら日が沈んでしまったが、テンションはMAXなのでこのまま作業を続けることにした。
「じゃあまず掘り下げないとだめだな。その際、排水の管も先に通しておいた方がいいな」
「よーし着工だ! あ、近所迷惑になるから結界を張っておくか。見られないように人避け&不可視化結界に加えて、音がうるさかったら困るから真空の膜も追加して遮音結界も張っておこう」
オレは畑全体を包み込むようにして結界を張っていく。
これで人目も音も気にならないはずだ!
「よっしゃー! 行きまっせー!」
魔法で畑の土をどんどん掘り下げ、出て来た土や石を横に積み重ねていく。
「じゃあまずはそこに基礎を固めて……そこに柱を……そこの管はそっちにも……」
タックの指示の下、どんどん作業を進めていく。
通常じゃありえない速度と建築方法で順調に家の形が出来上がっていった。
たのしー!!
オレとタックは寝食を忘れて家づくりの没頭していった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます