ここは天国ですか?いいえ。ここは天国待合所です。
@-kuroinu-
第1話 死んだ後の世界=異世界転生では無かった。
目を開けるとそこはには、知らない天井ではなく、ピンク色したポニーテールの女性が立っていた。
まだ、頭が働いていない自分に向かって
「生駒 遷都さんでお間違えないですか?」
と言ってきた。
「はい、そうですけど…あのここは?」
女性はニコッとした笑顔で
「し役所です。」と答えた。
続けて女性が、
「動けますか?動けそうなら、ゆっくりでいいので、手続きをしに下の階まで来ていただけますか?」といい部屋を出ていった。
俺は体を起こして、彼女の方についていった。足があるという事は、死んでは無いのだろうけど…… 階段を降りて下の階に着くと、人の気配がほとんど無かったが、確かに市役所みたいな感じだった。さっきの女性が、3番の看板付いたカウンターからこっちこっちと、手を振っているのが見えた。とりあえず俺は、カウンターの前椅子に座った。女性はスーと息をはいて
「え~っと、非常に言いにくいのですが、生駒 遷都さん」
「あっはい」と気の無い返事をした直後、
「残念ですが、あなたは、お亡くなりになりました。」とニコッといいました。
「…………うん???」
「死因は、心臓発作ですね。」
その後も、女性が色々話しているが、正直、全く頭に入って来なかった。えっ死んだ?確かに、俺は、心臓が悪く移植手術もしていた、だけど……体の調子だって、最近は悪くなかったのに……テンパっている俺の顔を見た女性が、優しく
「大丈夫ですか ?」
「大丈夫です、多分……」
大丈夫なわけあるか!!死んでるんだぞ!と心の中で思っていると…
「では、今後の説明をしていきますね」ニコッとして、まるで、役所仕事のように話しを進めていく 。
女性の後ろから、スマホをいじりながら、金髪、ウルフカットの女性が
「そんな丁寧に説明してたら、定時におわんねーぞ、今日は17:00から、イザナギの超絶降臨があるんだぞ」と言ってきた。
イザナギ?超絶?
「あっ、はい」と女性が返事をする。
「あの~。俺、死んだって事は、ここは天国ですか?」
「いいえ、ここは天国待合所です。まぁ簡単に言えば、今、天国が満員状態なんですよね。んで、天国に行くまでに待っていてもらう所です。まぁ簡単に言えば、生駒さんは、待機霊になります。」
待機霊?なにそれ?待機児童みたいに言わないで。と突っ込みをいれたくなったが、
「私も、待機霊なんですけどね(笑)」
あんたもかい!
「んで、ただ何年もただ待っていてもしょうがないし、働いたり、勉強をしたりする所です。死んじゃったけど、この世界でも[働かず物食うべからず]なんですよね。生駒さんは、16歳高校2年生で亡くなったので、ここでは、高校に行ってもらいます。」
まさか、死んでもからも高校に行かないと行けないのか……
「高校を卒業後は、大学ではなく、就職してもらいます。あっでも安心してください。ここの会社どこに就職しても、ホワイト企業だから、有給だってとれるし~労働組合もあるし~ボーナスだって、年に2回出るんです~さらに~、髪の毛の色だって自由なんだから」と嬉しいそうに語っている。
ふと我に帰ったのか、
「えへへ、話しがそれちゃいましたね」
すると女性が引き出しを開けて、スマホを取り出した。
「これは、生駒さんのスマホになります。簡単に言うと、このスマホで全ての事ができます。身分証だったり、お金を払ったり、鍵を開けたりするのにも必要になります。生駒さんは、学生なので、お金は働かなくても自動で入金されます。まぁわからない事があればスマホで検索すれば大体出てきますので、後、今日から住んでもらう家の住所の地図も入っているのでナビに従ってください。後~使い方わかりますか?」
とりあえず俺は、渡されたスマホをいじってみる、まぁ普通のスマホだな。んっ!?
「すいません、このデカデカと表示されている、善行ポイントって何ですか?」
「あっそれね。簡単に言えば、生駒さんの成績みたいな物ですね。良いことすれば、増えるし、悪いことをすれば、下がります。ポイントが高いと~お小遣いが増えますよ。でも、そのポイントが0になると………」
とここで言葉を濁した。
0になるとどうなるんだよ!と心の中でツッコミをいれると。
「では説明は以上になりますが、質問とかありますか?」
「いえ特に無いです。」というよりわからない事が多過ぎて、何を聞けばいいのかわからないというのが本音だが……
「しばらくは、私が、生駒さんの担当にはなるので、何か困ったら、私、吉野 桜まで連絡下さい。」
吉野はペコリと頭を下げた。
「こちらこそよろしくお願いします」
と頭を下げ、席を立った。
気がつけば、時計の針が17:00を過ぎていた。
金髪の女性が「おせーんだよ。スタミナは桜が全負担だからな。」と言っているのが聞こえた。スタミナ全負担は鬼だなと思いつつ、俺は入り口に向かって歩きだした
入り口の自動ドアを出て、建物を見上げた。そこには死役所とかかれた看板が目に入った。俺って、本当に死んだのかな?死んだ実感なんて全然わかないし、でもこの門をくぐると、創造もつかない異世界だったりしてとか思いつつ、死役所の門をくぐると、そこには、普通の街があった。スライムはもちろん、草原すらない、これなら、ステータスを防御力に全降りしなくても良さそうだ。
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