第13話 少しずつ変わって行く日常

この日は私と妻が大好きな、待ちに待ったATSUSHIのライブに行く日

このライブは福岡マリンメッセで行われる為、2人して早起きをして別府駅から博多駅まで行って、博多駅構内にある立ち飲み居酒屋に入り、そこで妻と一杯引っ掛けて、マリンメッセまで出ているシャトルバスに乗りました。

バスには物凄い数の人が乗っていてビックリしましたが、マリンメッセにはそれを遥かに勝る人で溢れかえっていました。

外に出店している売店にも、信じられない程の人が溢れてかえっていました。

売店で2人お揃いのTシャツ、フラッグ、タオル、手さげ袋を買いました。

早速2人でお揃いのTシャツに着替えて、18:00の開場を待ちました。

入口では携帯の電子チケットを専用の機械に当て会場の中に入りました。

入るまでかなりの時間を要しましたが、会場の中に入り、目の前に広がるステージを見て全部吹っ飛びました。

会場を埋める殆どの割合が女性で、電子チケットに書いてある席を探していると、どんどんとステージ付近に近付いて行くのでした。

気が付くとステージが目の前にあり、前から2列目の席で、妻と2人で大はしゃぎしました。

開演の18:30をまだかまだかと待っていたら、会場が突如真っ暗闇になり、ざわめき始めました。

ATSUSHIは何処から登場するのか、妻とキョロキョロと探していました。

ステージの前方から幕が降りてきて

『おっ、そこから出てくるのか?』と思っていたら、今度はそこから少し離れた所の上から幕が降りてきて

『おっ、こっちか』と思いきや、今度はステージの真ん中上から幕が降りてきて、ステージ上には3つの白い幕があり、その真ん中からATSUSHIが現れました。

そしてそこからステージは始まり、ATSUSHIの姿を目の辺りにして、会場は一気にボルテージがMAXになりました。

約2時間半のステージの間、会場内のボルテージは下がること無く熱狂の渦でした。

会場の反応は様々で、水を打った魚のように黄色い悲鳴の様な歓声を上げる者、また息を飲み込むようにして涙を堪えているファン、涙を流しているファン、この2時間半は私達にとって…いや、私にとって、使命感、義務感、苦悩、葛藤…様々な想いや悩みが一気に吹き飛んだ時間になりました。

ライブには人を元気にする力があり、勇気を与えてくれる力があり、自分の何かを変えてくれるステージの様に思いました。

会場には約14,000人が来場していて、あの会場での一体感は未だに忘れることはありません。

ライブが終わり会場を出て、バスで博多駅に向かい、別府駅に向かい、真っ直ぐ家に帰りました。

2人にとっての最高な想い出になりました。


しかし、ここからを境に少しずつ幸せな日々は戻らなくなっていくのでした。


私は次の日から早速職探しをしました。

まず始めにハローワークに行き、検索して何か良いのが有ればコピーをして持ち帰りました。

妻にも相談をしていましたが、話が噛み合わなく、私がこれと思った仕事には『これじゃダメだ🙅』と言われ『もっと違う仕事を見付けろ』と言うので、私がその言葉に反発すると妻は『今すぐ家から出ていけ』とか

『ここは私の家だ』と言ってくるので、私はムカついて、相談をせずに自分で仕事を決めてきました。

その事を妻に話をしたら全く納得していませんでした。

会社は博多に本社がある会社で、面接も博多に行きその場で採用を決めて頂きました。

その事を妻に話すと『ダメだ🙅』と言うのです。

『博多までどうやって行くんだ?』と言うので、『博多に行くのは月に3回位で良くて、あとは電話連絡で済むんだよ』と説明しても

『ダメ、もっと近くで働かないと』と言われ、結局こちらの会社にはお断りの連絡をいれました😢


私は妻と様々な事で口喧嘩をするようになってきました。

妻は私に対する態度や口調がどんどん変わっていき

『早く仕事を見付けろ』とか

『いつまで家に要るんだ』と私に言ってくるので、妻に言い返すのですが

『そんなことを言える立場か?』と言って来るのです。

言っていることはごもっともだとわかっています😢

だから仕事を何でも良いから、自分が少しでも長く続けられるものをと探してくるのですが

決まると『何で勝手に決めてくるんだ』とか『こんな仕事はダメだ』と言われます。

言っても田舎に、こんな前科者に良い条件の職等中々ありません。

それも自分のせいなのもわかります😢


そんな日々が毎日続くなかで、

妻が『働かないならご飯を食べるな、家から出ていけ』と言うので

『いずれ出ていくよ』と言いました。

そんなこんなが続いて、口喧嘩が続くようになった頃から友人や知人、先輩方に相談をしていました。

その中で知人の女性数人から心配をされ、気が付いたらマメに連絡を取るようになっていました。

そしてその中の1人が、

『こっちに帰ってこれば良いのに』と言われた一言で私は吹っ切れたのか、次の日に銀行に行きお金を引き出し、その次の日に妻が仕事に行ったのを見計らい、部屋にあった荷物をある程度キャリーバッグに積めて家を出ました。

別府駅に向かい、少しためらいもありましたが、今までの事を振り返るとこうするしかないと思い、決心して埼玉に向かいました。


別府駅から博多駅に行き、そこから新幹線で大宮駅まで向かい、その女性に大宮駅まで迎えに来て貰いました。

その女性とは昔からの知り合いで、お互いを良く知っている間柄でした。

大宮駅に着いたのは、もう夜でした。

外は暗くなっていて、夕食も食べていなかったので、2人で外食をしてから、彼女の家に行きました。

彼女の家に向かう途中、妻からのLINEがかなりありましたが、全て既読もせずにスルーしていました。

女性の家には数ヶ月滞在していましたが、凄く濃い時間でした。


一緒に大阪にあるUSJに行って、敷地内にあるホテルの最上階に泊まり、2泊3日で初日はアトラクションに乗りまくり、ハリー・ポッターにも行き、バックドラフトと言う後ろ向きに乗るジェットコースターに乗ったり、様々なアトラクションを楽しみました。

人の多さにビックリでしたが、2人でいっぱい写真も撮り、その夜は大阪のグルメを堪能し、一気にストレスを発散しました。

ちょうどこの時期は夏でしたので、どこに行っても人は多く混雑していました。

毎日の様に外食をし、休みには一緒に出掛け飲み出たり、2人でよく女性の友人が働くBarに行ったり、県外にグルメを堪能しに行ったりしていました。

浦和のパルコに入っている串揚げ屋、上尾にある串揚げ田中、ペットがOKなカフェなど、様々なお店に足を運びました。

プールや海、夏祭り、花火大会、夏を満喫しました。

女性は同時、ブライダルの仕事をしていて、表参道まで通っていました。

帰りが遅い時には、私が家でご飯を作り待っていたり、大宮駅まで迎えに行って帰りにご飯を食べて帰ってきたりしていました。

女性とは当時付き合っていましたし、どこに行くのも2人で行動していました。

この彼女は、ものすごく心配性で、私が1人で東京に行く時には心配して、凄い量のLINEが来ます。

先輩の所に遊びに行く時は、帰るのが朝方になってしまうのですが、朝まで寝ないで私の帰りを待っています。


私が女性と一緒に住むようになり、栃木の実家に帰ったり、東京の先輩の所に行ったり、後輩が遊びに来たり、関東の人達と久々にこれでもかと言う位に遊びました。

私がそんな事をしているうちに、妻からのLINEが凄いことになっていて、既読スルーをしていたのですが、既読をした瞬間に凄い数のLINEが一気に来るのです。

それでも私は返信をしませんでした。


そんなある日に彼女の方が突然に

『私達付き合っているんだよね⁉️』と聞いてきたので、私は『そうだよ』と答えました。

彼女は『そうだよね、じゃあ結婚しよ』と言ってきたので、私は一瞬返す言葉を失いました。

どのくらい間があったか覚えていませんが、私は思わず『うん』と言ってしまいました。

彼女は私に妻がいて結婚していることも知っていましたし、そんなことを言ってくるのは意外でした。

ただこの彼女は束縛が酷く、私の行動を常に把握していないとダメで、私が出かける際は

『何処に行くの?』『何時に帰るの?』『誰と会うの?』の質問責めでした。

勝手な話ですが、私はそれが引っ掛かり凄く嫌でした。

そしてそんな時、何故か妻の事が今更気になり、ちゃんとご飯食べてるのかな?とか1人で何しているのかな?そんなことを考えることがありました。


数日が経ち、私は彼女に対して

『もう終わりにしよう』と、切り出しました。

しかし彼女は涙を流しながら『嫌だ』と言うばかりで、話が前に進まなかったので、私が勝手に別れようと言って、そのまま家を出てしまいました。

一緒に住んでいたマンションから出て、そのまま大宮駅に向かい、新幹線で博多に行き、別府に向かいました。

別府に向かう間、大宮の彼女から凄い数のLINEが来ていました。

私はLINEで『本当にごめん』とだけ送り、彼女からは『私は待っているから』と返信がありました。

私が別府に戻ってからも、連絡は取っていましたし、その後も関東に戻った時には会っていました。

本当に都合の良い話ですが、この彼女を選んでいたら、また違う人生があったのかな?と後悔が絶えません。



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