年末年始に行ったライブについて感想を書いてみる。
2023年も1月下旬。新年一発目は何を書こうかと迷っていたらこのザマです。
まぁ、とりあえず自分用の日記を兼ねて、年末年始に行ったライブについて感想やら何やらを書いていこうと思います。
まずは2022年の暮れ、12月26日に大阪・味園ユニバースで行われた『EPONYM 1A』。これは、長谷川白紙と∈Y∋(山塚アイ)による2マンライブです。
長谷川白紙にハマりすぎてしまった僕は、結局このライブを含めて、2022年には4回も同氏のライブに行ってしまいました(FFKT2022、Dance Alone、月見ル君想フ、EPONYM 1A)。
そんな長谷川白紙yearを過ごしてきた僕ですが、流石に『EPONYM 1A』へ行くのには躊躇がありました。
だってシンプルに、家から遠い。
東京に住む身なので、大阪はハードルが高い。交通費だけで3万円近くはする。どうしよう。
そんな感じで迷いまくっていたのですが、予め当日の有給を取っていたので(え?)、やはり最後を飾るのにはうってつけな演目。覚悟を決めて行くことにしたのでした。
対バンの相手は、同じくFFKT2022でも見た∈Y∋(山塚アイ)。そちらもでチラッと話しましたが、実は夕食を食べる時間がおしてしまい、満足に参加する事が出来ませんでした。
今回はそのリベンジも兼ねて、ライブに向かった訳です。
それにしても、今考えても凄いブッキングだ。情報過多vs情報過多の戦い。ある意味では新旧頂上対決と言えます。
ライブ会場となった味園ユニバースですが、ここもとても面白いハコでした。ネットで検索してもらえると凄さが分かります。
めっちゃくちゃ味のある外観、というか数十年前のキャバレーそのまま。かなり歴史のある場所らしく、調べるとその奥深さを感じ取れると思います。
会場前の事前物販でお目当てだったロンTを購入してホテルにチェック・イン。ホテルから会場までは歩いて10分ほどの距離だったので、部屋でいい感じに時間を潰してから再び味園ユニバースに向かいました。
商店街を抜けて「味園ユニバース」という青く輝く電工看板が見えてきた時、隣を歩いていた老夫婦が「昔はここもキャバレーが栄えとった。あの味園ユニバースもそうやった」と会話していたのが印象深いです。
会場に入ると、写真のイメージとはガラリと変わり、照明の落とされた部屋内はクラブの雰囲気を醸し出していました。
ライブは∈Y∋(山塚アイ)のDJセットから始まりました。
これがまじでえげつない。
もはや人じゃない。
最も好奇心の強い類人猿に音の出る機械を与える実験。それを目の当たりにしているかのような異常です。
もはやアーメンでもドリルンでない、トライバルでバッキバキバッキなビート。レゲエなのかアフロなのか判らないひたっすらにやかましいボイス・サンプリングで煽られ続け、かっこいいVJの演出も相まって感覚を破壊されていきます。
——い、いかれてやがる。
ライブが終わると、僕の耳がいかれ始めていることに気が付きました。つまり、音が爆音だったのです。奥にイヤーチップが詰まっているかのような閉塞感と「キーーーー」と鳴り止まない耳鳴り。やられた。こいつ……!
興奮も冷めやらないまま、次に始まった長谷川白紙のアクト。
——いや、お前もやりやがったな。
普段のやり方とはかなり趣を変えたバッキバキ展開。しかし、これだ。これが俺が見たかった長谷川白紙のライブだ。
かっこいい。
まじでかっこいい。
未発表の新曲を数曲やっただけでなく、花譜に提供した「蕾に雷」もやってくれたました。嬉しすぎる。まじで去年俺が一番くらいに聴いた曲なので、僕はあの会場で誰よりも喜んでいたと自負できます。
ライブ後に長谷川白紙がTwitterで『∈Y∋に人生を狂わされた人もいるんじゃないかな』的なことを言っていましたが、お前に人生を狂わされたのがそうだよ俺だよッッ!!
と、心の中で叫んだものです。
翌日に京都へ行って、心を洗ってから東京へ帰ってきたのでした。
はい。
年を跨ぎ、1月。
1月19日に、渋谷WWWにて行われたウ山あまねの“ムームート”Release Party。これが今年のライブ始めになりました。
去年の9月ごろにリリースされた『ムームート』は、個人的に聴きまくったアルバムだったので、会社に無理を言って休みを取ってライブに行きました。
リリースパーティーということで、面白いメンツがサポートアクトとして集まっていました。
俚謡山脈、諭吉佳作/men、Carl Stone、君島大空という素晴らしいラインナップ。特に諭吉佳作/menと君島大空は最近ものっすごくハマっているミュージシャンなのでとても楽しみにしていました。
開場と共に俚謡山脈のDJが始まり、僕が到着した頃にはフロアから大音量の民謡が鳴り響いていました。俚謡山脈は日本の民謡を専門とするDJユニットで、これが思いの外カッコ良かった。というか、民謡かっこいいな。
ジャパニーズ・トライバルビートというべき選曲の数々は、シンプルに驚きに満ちていました。ちょっとハマりそうです。ていうか掘りたい。ライブ後に、真っ先に俚謡山脈で検索しました。今後、密かにディグって行きたいと思います。
続く諭吉佳作/menですが、実際にライブをみると、その歌のうまさだけでなく、ビート自体がものすごく歪でトンデモナイことをしている事に気付きます。
適度に脱臼したAphex Twinの上でポップスをしているようなイメージでしょうか。何度も聴いた曲が「あれっ?! 嘘、すげぇ」と表情を変えていました。これが地味に衝撃的だった。家に帰ってから聴き直したのはいうまでもありません。
Carl Stoneさんについては、恥ずかしながら事前にどう言ったミュージシャンなのか知らず、そのノリでライブを見ました。
何だこの人、よくわからないけどすごい。というの第一印象で、申し訳程度に席を立つと、ドローンでも操作するようにiPadをタッチして「演奏」を展開していきます。あれは何だったんだろうか。真っ直ぐにビートを刻んでいるようで、逆再生された音のようでもある。音楽という時間の流れの中で前と後ろの方向感覚を失ってしまうような、そんな世界が繰り広げられていました。かなり不思議な体験です。
最後のサポートアクトは君島大空の独奏でした。同氏は、ライブの行われた前日の18日に自身初のアルバム『映帶する煙』をリリースしたばかりで、同アルバムから「扉の夏」などを披露していました。いやもうね。歌うますぎでしょ。あとギターもうますぎでしょ。そしてあの歌声を音源のまま出せるってどうなってしまってるんだ。何なの一体。「ミュージシャン」という説得力がまじで段違いに高い。悔しい、俺は悔しすぎるぞ。そして『映帶する煙』もめっちゃ良い。俺は泣く。次はバンド編成のライブを見に行くと心に固く誓った次第です。
そして、ついに満を辞してメインアクト・ウ山あまねの登場です。MacBookとギターというスタイルで演奏を行うのですが、ギターという楽器の持つ意味を改めて考えさせられました。有名なSonic Youthのギタリスト・Thurston Mooreは「エレキ・ギターを聴くということはノイズを聞くこと」という持論を持っているそうですが、その言葉の意味が何となくわかります。ギターは、演者のエモーショナルを表現する上で非常に有効な楽器だと思います。かき鳴らすことで、より直情的に音楽を盛り上げ、そして入り込める。ギターの作るノイズは、電気と機械的に拡張された音を通して感情そのものを形にする行為なのです。多分だけど。これが構築されたものとして佇むDTMに、より生命的な息吹を与えるのです。いや、かっこいい。
『ムームート』に収録された、自身の代表曲の一つと言って過言ではない「タペタ」も生で聴けた。嬉しい。素晴らしい。ウ山あまねさんはMCの中で「ムームートはすごく辛い思いをして作ったアルバムなので、聴くとそれが蘇ってきて辛い。今日でそれを成仏させようと思います」的なことを言っていたのですが、これが地味に僕の心に引っ掛かりました。なるほど、いい言葉だ(何が?)。
と、まあ。こんな感じで2023年もライブに行こう思います。サマーソニックとか好きな外タレが来たら行きたいないぁ。
ありがとうございました。
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