今年聴いた曲のなかで衝撃的だったものを挙げてみる。
と、いう企画を考えてみました。
所謂、年末企画ですね。
勇んで書き始めてはみたものの、あまりやる気が出ないので今回は短めです。今年の総決算なのに申し訳ありませんす。
衝撃的だった曲をテーマに、思いつくものをつらつらと並べていきます。一つでも共感してもらえたら、幸せだなぁ。
○Mainframe - Two Shell
覆面の二人組ダンスユニット・Two Shellですが、そのイロモノっぽい見た目とは裏腹に、音楽的にはかなり新しくてカッコいいことをしています。イギリスのIDM/エレクトロニカ界が誇るシーンの重鎮・Four Tetがここ数年行っているような、一種EDM的な派手さを持ったエレクトロニカがありますが、あれは成功しているようなしていないような微妙な完成度な気がします(SkrillexとやったButterfliesとか)。
Two Shellは、それを完成させたような感じでしょうか。
骨組みの部分にはしっかりとしたカッコいいアンダーグランド・ダンスミュージックがあり、肉には本当に絶妙な脂が乗っています。この加減をTwo Shellほど上手くやれたミュージシャンはまだいないように思えます。勿論、12インチは買いました。今後、こういったミュージシャンがもっと出てくる予感もしますし、個人的にはかなり注目しています。
○Ultraviolet(feat. Cookie) - Moore Kismet
正確に言うと、これは去年リリースされた楽曲なのですが、今年リリースされたMoore Kismetの1stアルバム『UNIVERSE』に収録されているので見逃してください。
まだ20歳にも満たないMoore Kismetが、この人はマジでセンスがすごい。EDM系のミュージシャンですが、本当にとにかくすごい。Ultraviolet(feat. Cookie)はベースを軸にしたハイパーポップ的なEDMですが、何だろうねこれ。言葉が見当たらない。
YouTube上でDJプレイが見れるのですが、お世辞にも上手とは言えない、と言うか色々とヤバすぎて笑っちゃうレベルなのですが、それも含めて面白いミュージシャンです。本当に騙されたと思って聴いて欲しいです、本当にすごい。
○If U Wanna - Aquarian
これはマジで好き。所謂アーメン・ブレイク系のIDMなのですが、超絶ドライブです。テンションが上がりまくります。この人、本当にアーメンとか刻ませると無敵。
○Fireball(Fireball) - T5UMUT5UMU
今年出会ったミュージシャンの中で特にお気に入りなのがT5UMUT5UMUという人。過去作品を含めてマジでカッコいい。Fireball(Fireball)は『Sea of Trees - EP』という作品に収録されたもので、祭りの交通整理みたいなベーステクノです。これがどえりゃあカッコいい。
○bbycakes (feat. Shygirl) - Mura Masa
3rdアルバム『demon time』をリリースしたMura Masa。あまり期待せずに聴いたのですが、思いのほか凄い好きだった。全体的にハイパーポップに接近した印象ですが、やっぱり楽曲のレベルがかなり高い。純粋なポップスとしてオススメです。
○bliss - Asa 808
ぶっといキックとトライバルなパーカッションの連打。これ、俺を殺しに来ていますよね? IDM的な味付けですが音としてはとてもストイックでカッコいい。特にこのキックの感触が何とも言えず絶妙。ありそうでなかった組み合わせのように思えます。同曲が収録されたアルバム『Boy,Crush』も凄かった。かなりコンセプチュアルで乱れがない、完成度の高い一作に仕上がっています。こちらもかなりオススメです。
○Transit Map(Flattened) - Mount Kimbie
これは、凄い。IDM系だと一個前に紹介したAsa 808に並ぶくらいの衝撃がありました。不穏なメロディと、何よりもリバーブの質感が凄い。かなり好みです。同曲が収録されたアルバム『MK 3.5: Die Cuts City Planning』は、メンバーのDom MakerとKai Camposがそれぞれプロデュースした10曲あまりをMount Kimbieという名義でリリースした、みたいな感じの作品で、聴くと「あ、なるほど」と納得します。僕が好きなのはKai Camposのほうだったということも発覚しました(反対だと思ってた)。余談ですが、Dom Makerが手掛けた曲には盟友・James BlakeやSlowthaiが参加してます。James BlakeはUKラップシーンの顔・Daveとの共作もあったりと顔が広い印象がありますが、対するSlowthaiはUKラップシーンから距離が遠い存在のように思えます。というのも、僕はYouTubeチャンネル「Rap EJ」さんの動画でUKシーンの情報を知るのですが、Slowthaiについて話題に上がった事がないのです(記憶によると)。隆盛を極めるUKドリル・シーンとは明らかに違うシーンにいる人っていう感じなのでしょうが、グライムとUKドリルの距離感についても気になっています(話それたな)。
○Magazine(feat. Salami Rose Joe Louis) - Toro y Moi
ドラムが大好物の音すぎて信じられないくらい美味しい。美味しすぎる。チル・ウェーブの第一人者だったToro y Moiが、まさかこっちの音を使ってこんなカッケー曲を作るとは、やばいすぎる。
○タペタ - ウ山あまね
去年からハマり続けている長谷川白紙の流れで、今年はかなりハイパー・ポップにハマっていました。その中でも特に繰り返し聴いたのはウ山あまねで、同曲が収録されたアルバム『ムームート』は2022年の新譜の中では一番聴き返したアルバムだった思います。エクスペリメンタル的な色が強い印象で、ハイパーポップはバッキバキでありながら割とリズムを崩さない曲が多い印象ですが、ウ山あまねはそこが違う。そこがエクスペリメンタル。それでいて本当にポップ。この曲が好きすぎて、この曲にインスピレーションを受けたラブコメを別サイトで準備中というのはここだけのはなし。
○蕾に雷 - 花譜 & 長谷川白紙
愛しています。
今年聴いた邦楽の中で一番好きな曲、というか衝撃的だった曲はこれです。日本武道館でのライブも経験した人気バーチャルシンガー・花譜。声がいい。とても声がいい。正直な話、花譜の他の曲にはあまりハマってはいません。バーチャル系シンガーの中では結構いい線行ってるトラックが多い印象ですが、すいません。けれど声がいい。かなりいい。そこで長谷川白紙が作詞・作曲を手掛けたこの「蕾に雷」。これを初めて聴いた時の衝撃たるや計り知れん。長谷川白紙、天才すぎないか流石に。反復と破局がここまで見事に構築されてる曲はもはやポップスとは言えないのよ、普通は。けれどびっくりするほどポップ。そして長谷川白紙の色(何味ですか?)が隙間なく染み込んだ歌詞表現。何だそれはッ????!!!! うあああッ!!。か、勝てないッ!!!!。まて加々美、音楽で勝負しなきゃいいだろ?! そうだった。そこで花譜のボーカルの出番ですよ。もはや完コピしてるやん。つーか新しい本物になってるやん。この音楽に求められているものを、花譜は想定以上のレベルでやり遂げた感じがします。いや二人とも凄いよまじでこれ。
○ABC (feat. Sophia Black)
今年、最も衝撃を受けたのはこの曲。「蕾に雷」がこれを聴くまでの年間ベストだったのですが、Polyphiaがその確信を揺るがしてきたのです。かなりレベルの高いプログレッシヴ・メタルのバンドなわけですが、このジャンルに新風を巻き起こしているのがPolyphia。スーパーなバカテクを駆使して、それまで同ジャンルが手をつけてこなかった音楽ジャンルへと意欲的に挑戦しています。トラップ的なヒップホップであったり、「ABC」のようなハイパーポップだったり。このバンドと出会うまでは「私的年間最優秀ロックバンド賞は二年連続でBlack Midiが受賞だなぁ」と思っていたのですが、違かった。Polyphiaだった。プログレッシヴ・メタルだけでなくロックの可能性がこのバンドに詰まっているような気がします。度肝う抜かれました。
パッと思いつくものをまとめてみました。短いつもりだったけど割と長くなりました。気になる曲がありましたら是非聴いてみてください。
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