第13話

 話を聞いてもらって、一気に心が軽くなった。やっぱり誰かに話を聞いてもらうことは、良いことだと思う。

 彼は本当に優しい。嫌な顔一つせずに、最後まで話を聞いてくれた。そのうえ「ありがとう」だなんて……。感謝をするのは私なのに……。


 それにしても、どうして彼はこんなにも私たちに優しくしてくれるのだろう。

 幼馴染だから?

 それとも……。

 頭の中がぐるぐる。

 私の顔が赤くなってきた。

 そんな訳ないわよね。

 でも、やっぱりそうなのかしら。

 そのとき私はハッとした。お墓に行ったとき、ペン吉さんが言ったことが浮かんできた。

 もしかして……!

 ペン吉さんは、ペン介くんの気持ちに気づいていた。

 と、いうよりもペン介くんの行動を見ていたのだろう。

 そうよね、いつも私たちを見守っていてくれているんだもの。彼のことだって見ているに違いない。

 私の憶測が当たっていたとしたら、私はどうしたら良いのか。ペン吉さんは「遠慮しないで」って言っていたけど……。

 ペンちゃんは、どうかしら?

 新しいパパができることについて、あの子は一体、何て思うのか……それでも、これだけは言える。

 すごく嬉しい。

 私を好きになってくれて、ありがとう。

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