いわゆる死に戻りの悪役令嬢もの。そう聞くと、大概の読者は展開を予想できるのではないか。
本作は、その予想を手玉に取るように、むしろ予想してくれる読者との対話を楽しむように展開する。
婚約者に捨てられて、稀代の悪女と称されたリタ嬢は、やり直しの人生において同じ轍は踏むまいと多大な努力をしてきた。にもかかわらず、「やり直しの人生であるはずなのに」、予想を超えた動きを見せる不確定要素が現れる。その相手こそ、リタのライバルとなるはずの聖女リスティだった。
二人がどのような顛末を辿るのかはぜひその目でご覧になっていただきたい。
抱腹絶倒、胸がスカッとすると同時に、心がホカッと温まること請け合いだ。