糸巻き人形

環流 虹向

第1話

今日の放課後、

友達と雑貨屋に来た。


誕生日プレゼントを選びに来たのだが

自分が欲しいものに目が行ってしまう。


その中で一番気になってしまったのがある。


糸をぐるぐると巻きつけ人間の形をした人形。

若干大きいけどキーホルダーとして使えるようにひもがつけてある。


頭と体だけ形作られ顔のパーツなど細かいものは一切ない。

でもなんだか可愛いと思ってしまった。


こんなに欲しくなるなんて珍しいから買うことにした。

店員さんによるとこの人形は一点もので在庫はないらしい。


そんなことを聞いてしまうとさらに嬉しくて気に入ってしまった。


「何しに来たんだよー。」


と口を尖らせる友達。

謝りつつ、大切にカバンにしまった。



無事誕生日プレゼントを買い、家に帰った。

家に帰り自分の部屋で今日買った人形を見る。


「可愛いなー♡」


久しぶりにお気に入りになるものを買えたので

るんるんで人形を眺める。


夜になり明日の支度をして寝る準備をする。


スクバにつけた人形を手に取る。


「うーん、やっぱり家に置いておこうかな?」


どこかで落として無くすのも嫌だからなーと

スクバから外し机の上に飾っといて寝ることにした。



「わ!やばい!」


朝寝坊をして、急いで身支度をして家を出る。

いつもより10分遅く出てしまったので慌ててダッシュで学校に向かう。


ギリギリ学校につき席に座る。


4時間目が終わり、購買でご飯を買いに友達と行く。

その帰り道、廊下になにか落ちているので

そこに目をやるとあの人形が落ちていた。


同じもの持っている人が落としたのかな?と

思い拾ってよく見ると糸の巻具合が私の人形と一緒だったので、自分の物だと確信。


今日慌ててたから何かの拍子でスクバに入ってたのが落ちてしまったのだろう。

学校で見つけられてよかったーと思いブレザーのポケットにしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る