お妃様は秘密の花園で禁断の恋に落ちる
塚本ハリ
プロローグ
柔らかな金茶色の髪を綺麗に結い上げ、華奢な簪を挿した彼女は、本当に美しかった。触れれば壊れてしまいそうな儚げな佇まいながら、宮中の誰よりも光り輝いている。
だが、何故ここに彼女がいるのだろう。それも、婚約者の自分を差し置いて、彼の隣に。
「プティよ、改めて紹介しよう。私の最愛の寵姫・ヒジャウだ」
夫となるはずの王太子・ヒタムは、妻となるはずの自分に対し、こともなげにそう言い放った。これが妾だ、それがどうしたと言わんばかりの態度だ。 話には聞いていた、王太子が妻よりも愛する女性。だが、プティの驚きはそこではなかった。
――どうして……
プティは心の中で問う。
――どうしてあのお方が、王太子殿下の寵姫でいらっしゃるのでしょう? 夜ごと、二人で楽しい語らいのひと時を過ごしていた、大切な大切なわたくしのお友だち。その彼女が、よりによって……王太子様の寵姫だとは……!
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