最強の魔法Ω vs 究極の魔法Ж

柴犬タケ‼︎

序章〜魔術学園〜

生徒「先生〜!おはようございまぁす!」


レイジ「うぃす」


❓「今日も変わらずイケメンですな」


レイジ「やめてくださいよ、オブライエン学園長」


学園長「ガハハハ‼︎」


❓「事実なんだから仕方ないでしょう?」


空気が一変する—

甘く誘惑するラズベリーの香り—そう彼女は、

このフィアノレイス聖恋学園の生徒会執行部の中心メンバー

“ユズリハ‐レツィア”

俺が今気になっている女—


レツィア「Mr.オブライエン、ごきげんよう」


そう言うと彼女は、颯爽と駆け抜けて行った


学園長「いい尻だ。」

レイジ「——」


俺が気になっているというのは他でもない、

昨晩見た壮絶な現場—

それを引き起こしたのが、本当に彼女なのかどうか—


レイジ「とは言っても、直接顔は見れなかったしな…

後ろ姿だけで断定するの早計か…」


学園長「ねぇねぇ!何の話ぃ?」


レイジ「彼女が宇宙人って話です」


学園長「なん…だと…」


【フィアノレイス魔術学園】

首都・聖恋に建てられた世界でも最上位に位置するエリート階級学園

個々の魔術の質により、S〜Fのランクが与えられ

鍛錬による修行と実戦による経験でランクが上下し、ある条件を満たせば

国の最高機密機関“レヴァノイズ”への所属を認められる


その起源は、

遥か昔に覚醒核を解放させ、神の力を行使した—という古い文献が発見された

しかし学者たちは作り話であり、伝説であると相手にすらしてこなかった


ところが2025年、オブライエン−ワナモメルが、覚醒核と呼ばれる精神が

人の心に眠っている事を解き明かしたことで、学者たちの常識が覆り

魔術が広く浸透するようになった


その功績が認められ、新しくできた魔術史上最高の賞である

ゴッドスペイル魔科学名誉賞を与えられた


そして時は流れ、2055年

彼は国の最高峰の学園で、理事長兼学園長に就任しているのだった


【入学式当日】

—式典場—

レイジ「次にこの学園の体制について説明する、

ここまできちんとついてこれるな?…よし、それでは—」


レツィア「ここからはわたしが説明するわ」


彼女の姿が見えると式典場がざわめき始めた—が、

新入生と在学生でざわめき方が違っていた


前者は、スタイル抜群で容姿が美しい女性に反応したもの—

後者は、なぜ生徒会メンバーがここに現れたのかという疑問


生徒会は学園と独立した特別機関であって、他の生徒や委員会と

共に行動することは稀なのだ


レツィア「この学園の体制は、個々の魔術能力によって区別する

完全階級制となります。

一番下はランクF、つまりあなたたち新入生の位置

そして一番上はランクS—

ここに昇級するためには、上級魔術100種、上級戦術100種と

現存する大魔術の内どれかを習得し、最上級Aランク試験を

首席でクリアしなければなりません」


淡々と話す彼女に新入生たちは呆気にとられていた


レツィア「心配しなくても卒業はBランクでできます」


生徒の誰かが手を挙げていた—

よくこの空気で質問なんて言えるな…的にみんなが注目する


五十嵐いがらし「一つ質問、貴女のランクは何ですか?

説明するくらいなんだから—」


レツィア「わたしはAランクよ、あなたも死ぬ気で頑張ればきっとなれるわ」


五十嵐「言われなくても直ぐに追いつきますよ」


レツィア「他に質問ある人は?——次に」


それからどうすればランクが上がるのか、大雑把ではあったが

基本的な教育内容等を説明してくれた

どうやら年月は関係なく階級を上がることは可能らしい

つまり実力が全てということだ


レツィア「以上で簡単な体制と諸々の説明を終わります、

詳しいことは担任の教員たちが教えてくれるでしょう」


レイジ「ありがとう、助かる」

レツィア「どういたしまして、センセ」


背筋を舐められているような、誘惑を帯びた言葉に怯んでしまった

そして彼女は、もう一度生徒たちに顔を向け—


レツィア「せっかく特別な学園に来たんだから、全員無事に卒業してね」

五十嵐「——」


レイジ(あの生徒、なかなか度胸あったな…だが生徒会メンバーに

目をつけられなければいいが…)


〈渡り廊下〉

生徒会メンバー(以下:SV)「ユズリハ様!お捜ししましたよ!

あれほど一人で行動しないようにと…」


レツィア「大丈夫」


SV「昨晩負った傷口が開いたりでもしたら—」


レツィア「そんなことより、あとで風紀委員長をわたしの部屋にお願い」


SV「—御意のままに」


黒い黒髪をなびかせながら、奥へと消えていった

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