趣味とギャンブル

趣味とギャンブル

｢はぁ！？ また買ったの！？！？｣

妻がわなわなと震え怒っている。

くそう、、Amazonめ、、

時間指定していたのに早く到着しやがって、、、

僕が荷物を開封する前に妻が中身をもう空けていた。

大好きな洋楽バンド達のツアーDVD10本、合計7万円だ。

｢音楽鑑賞が趣味なのはわかるけど、1回観たらもう観ない。 しかもその為にプロジェクターや、スピーカー、DVDの専用棚、、あなた今までのお金で車1台ぐらい買えるわよ？ ねぇ、わかってんの！？！？｣

妻が怒号を上げる。

正論だが、趣味には口出ししてほしくない。

毎月ちゃんと家にお金を入れているではないか。

｢音楽を愛でて何が悪いんだ。 確かに浪費に関しては謝る。 ただ貯金もしっかりしているし、自分の時間は大切だろう？

それにね、知らないバンドのDVDを買うのもギャンブル性があって楽しいのだよ。

負担はかけていないはずだ。 君も僕のように趣味を見つければいいじゃないか、決して口出ししないと誓うよ。｣

妻は不満げにリビングに行き、昼のワイドショーを見ているようだ。

よし、今日は休日！

プロジェクターをON、スピーカーもOK、あとは飲み物。

よーし！！！

まずはQUEENのツアーDVDからだな！！！！

、、、、、、、、、、

3時間後、空腹の為リビングに行くと妻の姿は無く、

携帯を鳴らしても出なかった。

どこか買い物に行ったかな？

と思い、ふとタンスに目をやると

通帳が全てない。

その代わりにメモ書きがあった。

｢あなたがそこまで趣味にお金を費やすなら、私は逆に人生を賭けようと思います。 では、今まで趣味で貢いでいたホストに貯金を突っ込んでギャンブルしてきますね｣