少年売買

@papporopueeee

下校途中には誘惑がいっぱいです

「お前今日バイト行く?」

「いや、次のシフトは明々後日」

「マジで!? そんなにシフト空けるのもったいねーじゃん! ジュース飲んで、テキトーに話聞いてるだけでもお金もらえんのに」

「おばさんたちの相手すんのキツいじゃん。体触られるだけでもキモいのに、ベッドは無しって言ってるのに勝手にちんこ触ってくるしさ」

「一回給料もらったらそんなんどうでも良くなるって。それにキレイな人が来ることあるし、上手い人だと気持ちよくしてもらえて、その上で給料もらえるんだから行かない理由はないと思うんだけどなー」

「お前ら、バイトよりも出会い系サイト使った方が稼げるぜ。交渉次第でプレイも金額も勝手に決められるし、店にマージンも取られないからマジヤバイ」

「いや、そうかもしれないけど個人でやるの怖くね? この前もゴム拒否して強姦したやべー女が捕まってたじゃん」


 終業直後の教室。帰り支度をしながらにぎやかに談笑する男子たちの会話は卑猥で、濃密なお金の匂いをまとっていた。

 しかし、それは今の日本においては何も珍しいことではない。彼らの会話は誰もがする平凡な内容で、隣のクラスでも、隣の市の学校でも、日本の学校であれば他愛もなく繰り広げられる雑談に過ぎない。


 男子学生たちが性と金の話を膨らませる中、そそくさと帰り支度をする少年がいた。


「あ、ズミ! お前もバイト行く?」

「行かないって前から言ってるだろ。ボクはそういうことはしないの!」

「えーっ、勿体ないって! ズミだったらすぐにうちの店のトップになれるのに」

「そんなこと言って、キミは紹介料が欲しいだけなんだろ。この前も別のクラスの男子を誘ってたじゃないか」

「まあ、そうなんだけど……でももったいないってのはマジだって。ズミって化粧しなくてもおばさん受けしそうな顔じゃん。俺らなんて稼いでも化粧品とかでどんどん金がなくなってくからさ」

「それ、褒められてる気がしないんだけど! じゃあね、ボクは帰って勉強しないとだから」


 手を振る学友に別れを告げ、ズミと呼ばれた少年は教室を出た。




「んぶっ」

「んー?」


 学校を出て帰路を歩くズミ少年は通学路の途中で女学生にぶつかった。

 身長はズミよりも20センチ以上高く、日焼けした肌と派手な化粧が目立ち、だらしなく開いた胸元からは谷間が露出している。


「あ、ご、ごめんなさい! ボク急いでて、つい……」

「ああ、いいよいいよー……」


 女学生はズミに向かってにこやかにほほ笑んで見せながら、平気だと示すようにひらひらと手を振った。


 優しい女性で良かったとズミが安心したのも束の間、ズミの顔を見た瞬間に朗らかだった女学生の目つきが変わった。


「ふーん……♪」

「……っ」


 女学生はズミの肢体をじろじろと舐め回すように視姦し始めた。まるでズミの肉体を品定めするかのように。


「キミ、小学生?」

「ち、違います……」

「だよね、その制服知ってるし。でもそのダボダボ具合、もしかして先月に合法になったばっかりだったりしちゃう?」

「そ、その言い方は止めてください……。卒業して進学しただけです」

「やっぱそうなんだー……♡ くふっ、ラッキー♪」


 ぺろりと女学生が舌なめずりをすると、ぞくりとズミが体を震わせた。

 女学生と少年が向き合う様相は、蛇と睨まれた蛙に似ていた。


「ねえ、もしかしてだけどキミって初物だったりしちゃわない? キミ結構あーしのタイプだからさー、初めてくれるんだったら常連になってあげてもいいんだけどー♪」

「け、結構です……!」

「そんなこと言わないでさー、とりあえずお店行こ? 同伴してあげるからさ。ジュースとお菓子もたくさん注文してあげるしー。だからさ、ね? ベッドもお願いしたいなーって……♡」

「ボ、ボクはそういうお店に所属してるわけじゃありません……!」

「ってことは、個人? おっけーおっけー、あーしはそれでもかまわないよー。オプションはどんなのある? お尻もおーけーだと嬉しいんだけどー♡」

「こ、個人でもやってないです! ボ、ボクはそういうのはしてないんです!」

「えー、まじー? そんな可愛い顔なのにー?」

「顔は関係ありません! とにかく、ぶつかってすみませんでした。ケガがないのでしたら、これで失礼します!」


 それはズミにとっては慣れたやり取りだった。同級生が言っていた通り、ズミは年上の女性に好かれるルックスをしており、小学生の頃から誘われることが多々あったからだ。


 小学生の時は年齢を相手に伝えればそこで話が終わっていた。小学生を相手とする性行為が違法なのは変わっていない。


 しかしズミが年を重ねてしまった今は違う。同意さえあれば、ズミを相手に性行為をするのはこの日本においてはなんの問題もない。


「ちょっと待ってよー、ね、ほら、十万出すからさー」


 びゃっとズミの前で万札が広げられた。


「どう? 個人の相場でも破格っしょ? これだけあればなんでも好きなもの買えちゃうよー?」

「……っ」


 それは自身の性を売り物にしていても簡単には手に入らない金額だ。それだけあれば参考書や問題集はもちろん、家計の足しにすることだってできてしまう。


「普段はこんなに払えないけど、あまりにキミが可愛いからさー。あーしもほんき出しちゃうよねー♡ なんならあーしの体を好きにしてくれてもいいよ? ほら、おっぱいとか興味ない?」


 女学生は露出した谷間をズミに向かって強調するように寄せ上げた。日焼けした乳房がその柔らかさを示すように潰れ、ズミの目の前に差し出される。


「お、お金には困ってませんし、あなたの体にも興味ありませんので!」

「えーうそだー! さっきからあーしの胸ちらちら見てんじゃんー♡」

「み、見てません!」

「くふー、残念ながら見られてる側はわかっちゃうんだよねー。熱い視線を感じちゃうって言うかなー。まー、あーしFあるからつい見ちゃう気持ちもわかるけどねー。ほら、やらかいっしょー?」

「っ!」


 去ろうとしたズミの背中に女学生が寄り掛かり、その小さな背中に大きく柔らかな双丘を押し付けた。そして挑発するように、その豊満な胸でズミの背中を擦り上げた。

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