第7話 落ちた者
みどりは、来栖の部下の慎吾教官と共に空路でロンドン入りしていた。空港での手続き等は問題なく通過した後、指定のホテルに向かうためタクシーに乗り込む際、先に乗車したみどりの後から乗り込もうとした教官を押しのけて入って来た東洋人ぽい男性に拉致られる様な状況でみどりはタクシーごと移動させられてしまった。恐らく、タクシー運転手はグルで手配通りの行動だったのだろう。
そんな状況下でもみどりは訓練通り腕時計の追尾の発信システムを起動し、緊急プログラムを始動させていた。手錠と目隠しをされたみどりを、どこかの地下駐車場の様な所に止まったタクシーから降ろした東洋人ぽい男は、みどりを一寸強引にエレベータに乗せた後、目隠しを取ると強引にキスをしてきた。まだ焦点の合わないみどりがその顔を認識するまでに、彼女の記憶から呼び覚まされる感覚が答えを出していた。
「隆太!・・・」
それは、赴任前に引導を渡してきた元恋人に間違いのない感触と臭いと仕草であった。少し古いアパートの様な建屋の、ある一室に連れ込まれたみどりを隆太は強引にベットに放り出すと、有無を言わせず、下半身の衣類を剥ぎ取り、強引に硬いものを挿入し始めていた。
「うーん、だから前戯も無しにいきなり突っ込むのは止めてって何時も言っているでしょうが!」そんなみどりの言葉を、五月蠅いとばかりにキスで遮りながら、さらに深く下半身の硬いものをみどりの中に侵入させていった。
手錠でやや身動きが不自由なみどりではあったが、それと言った抵抗も無しに隆太の行為を受け入れていた。と同時に、幾つもの疑問の答えを出そうと冷たい目で隆太を見ながら自問自答をしていた。
『これが、ハニートラップか! わざわざ日本から本人を連れてきたのか。そんな手間までかけて、私から何の情報を引き出そうとしているのか?私の持っている情報なんか大した価値があるとも思えないが?それともこれも課題の一環?』
激しい行為が終わり、賢者モードに入いり、横で寝そべっている隆太が自慢そうに
「たまには、こう言うシチュエーションも言いもんだろう?久しぶりだしな!」
「あんた、何が目的?それより早くこの手錠を外しなさい、ぶん殴ってやるから、ロンドンまできて、あんたに強姦されるとは思っても見なかったわ!」
「いいいじゃねーか!みどりも結構、感じてたんじゃねーの!」
その言葉にムカついたみどりが、手錠のままの両手で隆太の頭に殴りかかろうとしたが、それは隆太の片手であっさり阻止され、再びみどりに覆い被さった隆太に股間を押し広げられた。
「なんか、また興奮してきちゃったぜ!」 そう言いながら、みどりの上半身の衣類をはだけさせ右の乳首を口に含んでいた。
「ほら見ろ。お前だって硬くなってるじゃねーか!」乳首を口の中で転がしながら隆太が言った。
再び、隆太の硬いものがみどりの股間にあてがわれて後、一挙に挿入されるまでには大した時間は掛からなかった。
「うーっ、まったく・・・あんたって男は、自分さえ良ければ・・・」
そんな行為が数度繰り返されるうちに、みどりの頭の中がだんだん白くなり、
『ああー・・・もうどうでもいいか・・・考えるのが面倒くさい・・・・』
後ろから抱きかかえられる様な体制で、激しく挿入してくる隆太の硬い存在を意識しながら、みどりはいつの間にか解錠された手錠とその先にある腕時計をぼんやり眺めていた。
ベットの上に全裸で横たわる、男女のカップルにロンドンの西日が射しかかった頃、ドアが激しく開けられる音と共に、数名の人物が乱入してくるのが分かったが、直後にチクりとした痛みとともに、意識がなくなっていくみどりがいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます