第249話 フクロウ 🐥



 昼間の残暑がうそのように、すっきりと爽やかな初秋の夜が明けました。

 フクロウは、水色の空に浮かぶ白い満月に、今日1日の平穏を祈ります。

 

 宵、西山に夕日が沈むと、住宅街を包む空は刻一刻と変わっていきます。

 フクロウは、杉林の上にまたたく一番星に、今日1日の平穏を感謝します。

 

       *

 

 フクロウの役目は、郵便受けの番ですが、近ごろはめったに郵便が届きません。


 この家を建てたとき、縁起物だからと買って来てくれたとうさんはずっと前に亡くなり、3人の息子たちも順番に巣立ってゆき、いまはお年寄りのかあさんひとり。


 家もフクロウも、なにもかもすっかり古びましたが、郵便受けの上のフクロウは、笑顔がチャーミングなかあさんが元気でいてくれる限り、太陽や月や星たちの応援をありがたくいただきながら、自分の役目を全うしようと思っています。(*^-^*)

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