第206話 杜子春 🌺



 先月の診察日、心療内科の先生に「進む一方の老眼の読書には、文字が拡大できるkindleが最適とわかりました。うれしいことに作品の価格が信じられないほど廉価で古典など、何十巻もの全集がたった99円だったりするんですよ」とお話しました。


 そして1か月後の今日。

 開口一番に先生がおっしゃるには、なんと先生もkindleを購入され、さっそく文学や医学書を20点ほどダウンロードし、毎晩読んでいらっしゃるとのこと!(´▽`*)


 なかでも久しぶりに再読して感銘を受けた作品として「小学生の読書感想文の課題作みたいですが……」頬を染められた(笑)のは、芥川龍之介の『杜子春』でした。


 で、帰宅後、さっそく『芥川龍之介全集』(全388作品・488円)をダウンロードして読んでみると、たしかに! 三度も人生の栄枯盛衰を味わった杜子春が、最後にこの世で最も尊いものとして悟ったのは、子の幸せを思う母の愛だったという極上の作品でした(教訓めいた話は苦手ですが、この短編には少しもイヤミを感じず)。👏


 先生と同じく、子どものころ、国語の授業かなにかで読んだきり、すっかり内容を忘れていたのですが、不朽の名作は、文字どおり、歳月を経ても朽ちないのですね。

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