第73話 桜の花蜜吸い 🐥





 極端な花冷えが立ち去った朝、陽気な太陽が惜しみなく降り注いでいます。


 川沿いにずらりと並んだ桜は満開の真っ最中。見物人がいないのが残念ですが、その代わりのように、スズメ、モズ、シジュウカラなどの小鳥が、ピーピー大喜びで鳴き交わしながら、あちらの枝、こちらの枝と渡って花蜜を吸い合っています。



                🌸



 どうしよう、こんなにたくさんあって一度に吸いきれないわ。そりゃあそうよ、欲張りはだめだめ、あたしたちは、ほんの少しお裾分けに預かれれば幸せなのよ。

 

 そんな会話が聞こえて来そうな爛漫の花の下には、ピンクや白の芝桜がふくれ、タンポポが笑い、上方に目を転ずれば、垣根の椿の葉が艶やかな若緑に光り……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る