第34話 シャコバサボテン 🌵





 皇居前のガラス張りのレストランは、眩いばかりの陽光にキラキラ輝いていて。

 店の前の噴水のある広場で記念撮影をしていると、外国の観光客のみなさんが、


 

 ――Congratulations!!!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ


 

 初々しい新郎新婦に、つぎつぎにあたたかな言葉をかけてくださって。✈💼🌸🌸


 裾を長く引いたウェディングドレスは、花嫁の可憐をいっそう際立たせて、身体が丈夫でない新婦を気づかう新郎は、凛としたクリーム色のスーツがよく似合って。

 

 

                 💒

 

 

 その年の秋、新婚夫婦の家に、下半身が不自由な、小さなワンさんがやって来て、3人家族の記念にと、量販店で買ってもらったのが、あたし、シャコバサボテン。


 それからは毎年二度ずつ、濃いピンク色の花を咲かせて来たんだけど、3人家族の暮らしが10年を越えた今年はね、とくべつに三度咲かせてあげたんだ~。(^^♪


 とりわけ2月半ばに咲かせた三度目の花がたいそうきれいだというので、ご主人も奥さんも、ワンさんも大喜びしてくれ、ほんと花冥利に尽きるの、あたし。(≧▽≦)

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