駄文

匿名

小さい頃に。母方の祖父の実家に行ったんだ。祖父自体は東京に住んでいたんだけど、実家は宮城だった。僕もロクになんもない片田舎に住んでいるわけだけれど、そこには本当に何も無かった覚えがある。

そこで僕とほぼ同じか、少し年上くらいの男の子2人と遊んだんだ。一緒にファミコンでマリオの3を遊んだ覚えがある。

しかしもう実家の場所も覚えてなければ、東京にある祖父母の家すらわからない。祖父母は僕が中学生の時に亡くなってしまったから。

墓参りに行ってやりたいが、残念ながら僕は両親と恐ろしいほど仲が悪い。家を飛び出して何年か経つ。記憶も朧げで本当にあったかすらわからない。

プライドでもなんでも捨てて向かうべきだが、このままでいいとも思うわけだ。

だって僕がそこに「マトモな人間である為の欠片」を落としていたら、この優しくて不健全な心の痛みを味わえなくなってしまうじゃないか。

本当は自分で投げ捨てたものである事が分かっていても、言い訳をし続けて生きていきたいんだよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

駄文 匿名 @Muser_wga

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る