魔王様は静かに暮らしたい

香歌音

シルビアの暴走

第1話 魔王様の起床

 北の大地に遅い朝日が昇る。

 肌寒くまだ寝ていたいがやらなければいけない日課があるため一度布団に深くもぐりこみ、そして気合を込めて布団から抜け出す。そして衣服が冷たくならないように昨日の寝る前にベットに入れ込んでいた服に着替える。

 起きたの見計らってコンコンと扉をノックする音が聞こえる。

「ダリウス様」

 扉の外から声をかけてくる。

「カロ、入れ」

 カロはうやうやしく頭を下げながら入ってくる。上げるとき長い髪がじゃまなのか銀色の長い髪をかき上げる。ダリウスが上着のボタンをかけ始めているのを見て魔族上位特有の赤い目がダリウスを見て見開く。

「そんな御身みずから着替えなどなさらくても、わたくしカロがお着替えをいたしましたものを」

 カロは下を向き息が漏れないようハンカチを取り出だして口にあてる。

 ハァハァ、興奮する。なんてステキな御姿、毎日みても飽き足らない。バランスの良い肉好きそして私が抱きしめたら抱え込めてしまえる身長。そして闇を抱えた黒髪。あぁ。短髪なんてもったいない。先王と同じ様に伸ばしていただいてわたくしがその御髪をとかしたい。

 などと考えているとは知らないダリウスは勇者によって減らされた魔族の数で人でぶ足の申し訳なさと今の現状でいいんだと思いを込めて満面の笑みでカロに蔓延の笑みで返す。

「泣かなくていい。今は人手が足りないやれる事なら自分でやる」

 キューン

 その金色の目で射貫かれたら、、、あぁと額に手をあてカロは床に座り込む。


「おはようございます。ダリウス様。ご飯できましたよ」

 魔王城に似つかわしくない明るい声が城中にこだまする。

 空気の読めない小娘め!カロは声が聞こえてくる方を睨む。

 私とダリウス様の時間を毎回毎回邪魔して~キーッ

 魔法陣が現れ床の下から水のしぶきとともにジャンプして現れる。そしてそのまま空を飛びダリウスの前に着地する。

「おはよう。シルビア」

 シルビアの身長がダリウス肩ぐらいなのでシルビアが前に立つと鳥のとさかのように一束だけひょっこりでたシルビア寝ぐせがダリウスの目の前に表れる。その寝ぐせをダリウスはなでるようにさわる。ヒュルリンと風が通る。

 シルビアは自分の頭に手をやると寝ぐせが直っている事に気が付く。

「えへへ。ありがとうございます」

 シルビアはほほのあたりだけが赤くなる。

「シルビアの綺麗な水色の髪がだいなしだよ」

 カロは羨ましとばかりにダリウスが見えない所で懸命に自分の寝ぐせをつくっていた。

「カロ」

 ダリウスがいきなり振り向いたのでカロはあわてて姿勢をつくる。

「はい」

 何事もなかったように軽やかに返事をする。

「朝食をいただこうか」

「シルビアの料理って、スープですか」

「カロ様、毎日いってますが水を操る魔族だからスープしか作れないです。カロ様だって焼き物しかつくれないじゃないですか」

「シルビア、野菜だって肉だって焼き具合で味がかわるのです。ただ火でぐつぐつ煮込むスープとはまったく違うのです」

 シルビアはカロギロリと睨む。カロは見下したような目でシルビアを見る。

 そんあ二人を気にする様子もなくダリウスは着替えを終えた。

「昨日、パンを焼いておいたんだ焼き野菜と肉とスープで立派な朝食だね。みんなでいただこう」

 そう言って魔法陣をつくりダリウスは先に食堂にむかった。

 カロとシルビアは目を合わせ我先にと魔法陣をつくりダリウスを追いかけて食堂に向かうのだった。







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