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昨日、1年とちょっと付き合った彼氏と別れた。朝起きて通知の「おはよう」のスタンプがない事に寂しさを覚えた。自分から別れ話しといて泣くことないんじゃない、ともう1人の冷静な自分が私に問いかける。お腹が空いた、と珍しく朝ご飯を食べたけど、涙で味わう所ではなかった。
お別れしたいと言った後も、彼は穏やかだった。最初の時もそうだった。ずっと私を第一に考えてくれていた。夜の電話も、一緒にいった旅行も楽しかった。ワガママで自由な私の些細な夢でも応援してくれていた。飼っていたうさぎが死んでしまった時、
就活がしんどかった時、ずっとそばに居てくれていた。
思い出そうとしなくても、素敵な思い出がたくさん蘇ってくる。それなのに、どうして振ったのか。それは、そこまでして尽くしてくれている彼と本気で向き合えなくなってしまったから。彼の良くない部分ばかりに目を向けてしまう自分に嫌気が差した。こんなに愛してくれてるのに、私はこのもやもやを残したまま中途半端でいいのだろうか。そう思ってずっとずっと悩んでいた事も、ずっと喉につっかえて言えなくなっていた。0か100の私はハッキリさせたかった。それが理由。
自分から別れを告げるのが、あれだけ辛いとは思わなかった。大嫌いになれるわけも無い大事な彼を、傷つけているという事実が何よりも悲しかった。私が泣くのはおかしいはずなのに、ずっと泣いてしまった。
そんな私ですら、可愛いとそれでも好きだと言って頭を撫でてくれる彼の顔をみて、私はつくづく酷い女だと思った。私が未熟なせいで彼を傷つけた。未来を一緒に見る覚悟が出来ない幼稚な女なせいで、譲れないせいで。
彼と付き合ってから、恋愛なんか一生してやるもんかと思っていた自分の考えが変わった。心を交わすことの楽しさも切なさも知った。こんな私でも愛してくれる人がいることを知った。今まで生きてきた中で1番素敵な恋愛だったと胸を張って言える。そして、私自身を沢山成長させてくれた恋愛だったと思う。
たくさんの愛をありがとう。こんな私を大切にしてくれてありがとう。沢山の可愛いと大好きをくれてありがとう。いつでも戻ってきてねって、笑いかけてくれてありがとう。最後に頭を撫でてくれて、手を繋いでくれて、ハグをしてくれて、ありがとう。どうか体に気をつけて、無理をしないでね。どうか自分を責めないでね。
本当に心から大好きでした。
ありがとう。ごめんね。さようなら。
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