クソ漏らし転生
あたまかたい
第1話 消えたい
ある日のことだった。
通勤の電車の中で、急にお腹が痛くなってきた。
ゴロゴロゴロ・・・。
猛烈な便意が襲ってくる。
(こんなところで・・・やめてくれ・・・。)
体調というものは、本人にはどうすることもできない。
(途中で降りるか、いや、そんなことをすれば会社に間に合わなくなる。どうすれば・・・。)
どうするも何も、我慢する他方法はなかった。
(とにかく、我慢だ。会社までつけばなんとかなる。)
そう思ってじっと耐える。
全身から脂汗が出る。
体温は下がり、腹もなんだか冷たい気がする。
鳥肌が立ち、全身の肌の色が白くなっていく。
腹が痛い。しかし、それ以上にお尻がつらい。
腹の中の物が、出たい出たいと言っている。
(今は無理だ、もう少し後に出してやるから、もう少し待ってくれ。たのむ。)
しかし、彼らは聞き分けのない子どものようであった。
悲劇という他はない。
電車の中という密室で、やってしまった。
ついに中のものが出てしまったのだ。
突然の異臭に、周囲も気づく。
こいつやったな、と。
(あぁやっちまった!)
泣きたい。泣きたかった。
周囲がザワザワし始める。
(何をしてるんだ俺は。もう消えてしまいたい!)
(ここから今すぐにでも消えていなくなりたい!)
そう真剣に思っていると、スッと彼の姿が消える。
そして何事もなかったかのように、騒ぎが収まっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます