第2話
俺は都内の高校に通うごく普通の高校生だ。
普通じゃないところといえば隠れ韓国オタクなところかな。
最近オーディション番組でデビューした某ミックスポップのグループにはまっている。
学校ではそんな面は見せることはない。
いつものように学校についたとき、庭にリンゴの木が植えられていることに気が付いた。まだ小さい苗のようだ。学校にリンゴの木とはと首をかしげていると、もう教室は生徒でいっぱいになっていた。
「これから我がクラスの新しい仲間だ。入ってこい」
先生がそう言うとざわめく。こんな中途半端な時期に転校してくるなんて珍しい。
俺はあまり興味がないが。
教室に入ってきた女の子は長い黒髪で猫目の世間でいう美人だった。
「果崎ヘレナです。よろしく。」
その子は淡々とした口調でそう述べた。
転校なんて何度目だというような気がした。俺はあまり良い気がせず、これからも関わらないだろうと思い、小説に見立てたアルバムを開いた。
彼女は先生に言われ、窓側の最後列に座った。俺の後ろの席だ。
とんとんと急に背中をつつかれた。
「よろしくね」
彼女は隣の席でもなく俺だけに挨拶をした。まるでこれから何かあるかのように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます