流れるは星の輝きを

一華ボタン

プロローグ 願い事の始まり

ねえ、君はどんなことを願うの?」


彼女が僕にそんな話をしてきた。夜、月明かりが照らす草原で。


「願う?なんのこと?」

「流れ星だよ!今日は流れ星がいーぱいくる流星群ってやつなんでしょ!流れ星はね、お願いすると願い事を叶えてくれるんだって!」


その目はキラキラと輝いていて、とても楽しそうだった。


「へー、そうなんだ。君はなんでも知ってるんだね。」

「まぁね!私は凄いんだから!」


エッヘンと鼻高々になりながら胸を張る彼女。そんな様子にくすりと笑ってしまう。


「で、で、何を願うの?」

「急に言われてもなぁー、君は何を願うの?」

「私?私はねぇー、毎日がキラキラでありますようにって願うんだ!」

「キラキラ?」

「そ!キラキラ、毎日がキラッキラになったら楽しそうじゃない?」


そう語る彼女の目はいっそう輝いていた。それはとても眩しく目を背けたくなるほどにキラキラと輝いていたんだ。


「私の願いは聞かせたでしょ?ほら次は君の番だよ!」

「僕の願いは...」


そう言いかけた時、空に一筋の光が通る。それはだんだんと数が増えていき、空を埋め尽くす程になった。


「わぁ!すっごい、ねっ、ねっ、凄いね?これが流星群!」


興奮した彼女は立ち上がり空を見上げる。クルクルと踊るように歩いていく。


「綺麗だね!そだ!願い事、しなきゃ!」


彼女は自分の胸の前で手を組み祈るようなポーズをとる。阻止て大きな声で言い放つ。


「毎日がキラキラでありますように!!」


力ずよいその声は天にまで届きそうだった。

彼女は祈るポーズをやめ、ボクの手を引き、立たせる。


「ほら、君も願い事しなきゃ!」


満面の笑みで彼女は僕にそう言った。仕方が無いと、僕は彼女の真似をし、手を組む。


「僕の願いは―――」

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