4月10日

 誰でも好きな要素がある。誰でも好きな要素をどのように使うか。誰でも違うものを持っている。同じ文法の中で生きていても現代はその中に幅がある。

 絵の文法という話が好きだった。何で読んだのかは思い出せないが。絵の文法は確かにある。けれどある程度文法に幅があるから例えば漫画にはいろいろな絵柄がある。絵柄から作者がわかるくらいには違う絵柄がある。けれどやっぱり絵の文法はある。その約束事の中で色々な絵柄が発生しうる。多分メジャーから少し離れているものに対する糾弾が少なくなったのだろう。

 そういえばアメコミと呼ばれるようなものには絵柄の幅を感じたことがない。多分有名どころしか知らないからだろう。有名作をなんとなく見たことある程度、読んだことはないという程度の感覚だから。そちらにはどのくらいの文法の幅があるのだろうか。


 ちゃんと一つ覚悟を決めた。どうにもならなくなったらそれでどうにかすればいい。一般には良くない方向かもしれない。けれど私にとっては少しもったいないなという程度でしかない。一つしか選べないのだから。


 そういえば爆発というものをこの目で見てみたい。どうせなら派手なやつを。


 巨人の肩に乗れば巨人より遠くが見える、かもしれない。巨人の肩から目までの高さが私の脚から目までの高さより低いとは限らない。多分現代の巨人は大きい。けれど巨人の方が遠くを見ているだろう。

 けれど地面に自分で立って見ることに比べればよっぽど遠くが見える。巨人は大きくなった、そしてまだ大きくなる。それなら昔より今、今より未来はもっと遠くが見えるようになる。

 もしかしたら自分で巨人の一部を作り出すかもしれない。


 この世界を美しいと思う。けれどこの世界で生き続けることに興味は持てない。砂浜において砂が全てなくなることは砂浜がなくなることと同じだが、砂が一粒なくなったからと言って砂浜という存在に揺らぎはない。例えば砂一粒が砂浜を美しいと思っていてもその砂一粒がなくなることは砂浜がどうあるかということには関係がない。砂浜を美しいと思っているのがその砂一粒だけであっても砂浜そのものが変わるわけではない。

 美しいこととクソなことは同時に成り立ってしまうので。両方だと思っている。


 また文字数にとらわれている。結局一番文字数が多いのは二日目のまま。どうして他の日付ではそこまでできないのだろう。

 そこまで考えたところで同じことを言ったような気がすると思った。いや、言っただろう。確かその時の結論は二日目は書けることがいっぱいあった、晒していないことがいっぱいあったということだろうというものだったはずだ。確かに。


 ギッ、ギッ、ギッ。ゆっくりと揺れる。振り子だ。博物館で見た大きな振り子を思い出す。地球の時点でまわっていたあの振り子、時間がわかるものだっただろうか。

 手招き、大きな手だ。脳裏に浮かぶ。多分この人が。

 最初におろしていれば違っただろうか。確かにまだ揺れていたのだから。それでも、もう終わっていると、思ったから。そして私の分も終わらせようと思ったから。

 いつだってこの人は自分の死後のこの世界の実在を信じていなかった。確かにその人が言うこの世界というものが指すのは、その人が見た世界のこと、その人が認識した世界のことだったから、その視点は永遠に失われた。それでもまだ私は生きていた。それなら『この世界』も終わらせてみようか。手招きにのって。


 そう、大量に読まれたあの日からもう一か月ほど経つ。そのおかげで読まれていない話だけで画面を埋めることができる。この適当日記は読まれない時期が長かったから、どうしても読まれた跡があると気になってしまう。せめて書き始める画面だけでも読まれていないもので埋めたかった。埋まっている、今は。けれどいつ読まれるかわからない。そして一話は一日だ。増やすのは時間がかかる。


 何かを食べたい。けれど何を食べたいのだろうか。


 やらなければいけないこと、一つ。それをやりたくないと思っている。それはやりたくないだけではない。ただ思いつかないという問題もある。いや、内容さえ思いつけばすぐ終わらせられる。けれどその内容を考えることだけに時間をかけている。

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